研究課題/領域番号 |
23593130
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 助教 (80420389)
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研究分担者 |
久田 雅紀子 三重大学, 医学部, 助教 (70437101)
川島 珠実 四日市看護医療大学, 看護学部, 助手 (20551245)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 師長 / 看護管理 / キャリア開発 / 成長 |
研究概要 |
新任師長は様々な困難を日常的に感じているとの先行研究の結果をもとに、本研究では困難な事象を乗り越えて、師長として成長する過程、師長職に適応・順応していく過程を明らかにすることを目的としている。対象は師長昇進1~2年目と7年目以上の師長である。1~2年目の師長については縦断的面接調査を1年間に1回、3年間継続して実施する予定である。新卒看護師が一人前になるのには通常3年かかると言われており、その基準をもとに面接の追跡調査は、3年間の期間とした。昇進1~2年目の師長の初回面接調査を実施するにあたり、文献検討をもとにインタビューガイドを作成した。インタビューガイドの内容は、師長昇進の内示や辞令を受けた時の気持ち、昇進後印象に残っている出来事とそれに対する対象者の考えや思い、どのような経験が師長職を遂行するうえで役立っていると感じるか、理想とする師長像や目標などである。形式は半構成面接とした。協力を得られた対象は、東海近畿圏の11施設で働く19名(平均年齢43.2歳、平均副師長経験年数5.1年)であり、そのうち3名は昇進2年目であった。面接は8~11月のあいだに(平均師長経験月数7.2ヶ月)、対象が勤務する病院内で実施し、面接時間は平均59分であった。面接記録はすべて逐語録に起こし、質的帰納的方法にて現在分析中である。具体的な分析方法としては、修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)を採ることとした。M-GTAは事象にプロセス的特性を持っている場合に適した分析方法とされており、成長過程といわれるような動的解釈が求められる本研究では有効との判断からである。昇進7年目以上の師長に対する面接調査には全く着手することができなかった。平成24年度から開始できるよう準備を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昇進1年目の師長への面接は、おおむね順調に経過しているが、昇進7年目以上の師長に対する面接には着手していない。中長期的な看護管理者としての成長過程を引き出せるようなインタビューガイドの作成、施設との交渉、対象者への協力依頼など、まったく手つかずの状況である。昇進1年目の師長である対象の確保や実際の面接等に時間を要したことが理由としてあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
昇進1~2年目の対象への面接調査は、予定通り年度ごとに面接調査を続行する。初回面接時に昇進2年目の対象が3名ほどいたが、こちらについては面接の時期を前倒しし、昇進2年目の記憶が新鮮なうちに平成24年度早々にデータ収集を行う予定である。昇進7年目以上の対象へは、インタビューガイドの作成、研究依頼、実際の面接調査など本年度から着手し始め、平成25年度の終わりには予定数の面接を終了できるよう進める。平成23年度の昇進1~2年目の対象への面接調査は、質的帰納的方法で分析を開始している。具体的な分析方法としては、修正版グラウンデッドセオリーを使用する。これは質的研究の分析方法のなかでも、プロセスを明らかにしたい場合に向いているとされており、成長過程という変化を捉えるには適した分析方法であるとの理由からである。面接を縦断的にすすめることから、分析は年度ごとの面接が終了するごとに、すみやかに進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度中に昇進7年目以上の師長に対する面接調査は実施できなかったため、これにかかる費用が未使用となった。昇進7年目以上の師長である対象は10名程度を予定しており、平成24年度からは順次、面接を実施していく。よって、昇進7年目以上の新たな対象への面接調査に関連する旅費や謝金等の費用がかかる見込みである。昇進1~2年目の師長への面接調査は前年度に引き続き、2回目となる。対象からの拒否がなければ、旅費やテープ起こし等に昨年度と同程度の旅費や謝金が発生する予定である。 当該研究領域の研鑽を積むため、看護系学会の学術集会に参加を予定しており、その費用も計上する。
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