研究課題/領域番号 |
23593130
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 講師 (80420389)
|
研究分担者 |
久田 雅紀子 三重大学, 医学部, 助教 (70437101)
川島 珠実 四日市看護医療大学, 看護学部, 助手 (20551245)
|
キーワード | 師長 / 看護管理 / キャリア開発 / 成長 |
研究概要 |
新任師長は様々な困難を日常的に感じているとの先行研究の結果をもとに、本研究では困難な事象を乗り越えて、師長として成長する過程、師長職に適応・順応していく過程を明らかにすることを目的としている。対象は師長昇進1~2年目と7年目以上の師長である。昇進1~2年目の師長については縦断的面接調査を1年間に1回、3年間継続して実施する予定である。平成24年度は1年目の面接に引き続き、同じ対象者に昇進後2年目の面接を実施した。インタビューガイドは師長として印象に残っている出来事を語ってもらう内容が中心であるが、昇進2年目の面接を実施するにあたり、対象者が印象的な出来事に対する対象者なりの意味づけや、対象自身の考えや職務への影響をどのように認識しているのかを引き出せるよう検討し、改良を行った。初回の平成23年度においては師長昇進1年目の対象者として19名より参加協力が得られたが、平成24年度は1施設2名が参加を辞退し、17名となった。対象者17名のうち3名は昇進2年を過ぎており、師長経験月数は平均19.1ヶ月であった。面接時間は平均63分であった。面接記録は対象者の許可を得て録音し、すべて逐語録に起こしたが、分析には至っておらず、今後データ収集と併せて進めていく予定である。 昇進1年目の調査結果については修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)により分析し、所属学会において示説発表を行った。 本研究では昇進7年目以上の師長に対し、新任師長と同様の面接調査を実施し、その調査内容を比較対照することで、新任師長の成長過程をより焦点化する計画である。しかしながら平成24年度中には昇進7年目以上の師長に対する面接は実施できなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昇進1年目、2年目の師長への面接は、おおむね順調に実施することができた。しかしながら、新任師長の比較群としての昇進7年目以上の師長に対する面接は着手できていない。新任と言われる時期を経て看護管理者としてある程度の経験を積んできた対象について、長期にわたる成長の過程を引き出せるようなインタビューガイドの作成や、施設との交渉、対象者への協力依頼など進められていない。
|
今後の研究の推進方策 |
新任師長への面接調査は23年度より開始し、25年度は3回目の面接調査となりデータ収集は最終年度となる。3回目の面接調査を前に2回目を振り返り、インタビューガイドの修正など研究者間で検討し、面接を実施する。師長経験年数が当初より多い3名の対象者の面接については、面接時期を24年度の面接時より1年経過時点とし、遅れがないようにする。昇進7年目以上の対象のデータ収集については、インタビューガイドの作成、研究依頼、実際の面接調査など本年度から着手し、来年度半ばには予定数の面接を終了できるよう進める。昇進7年目以上の対象者の協力については、概要を理解下さっている新任師長の所属先の施設に依頼をし、対象者の確保に努める。データ収集と並行し、分析も進める予定である。具体的な分析方法としては、24年度に昇進1年目の対象のデータ分析と同様に、修正版グラウンデッドセオリーを使用する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
25年度は、昇進7年目以上の新たな対象への面接調査に関連する旅費や謝金等の費用がかかる見込みである。また昇進1~2年目の師長への面接調査は、3回目となる。17名の対象者から拒否がなければ、旅費やテープ起こし等に昨年度と同程度の旅費や謝金が発生する予定である。 当該研究領域の研鑽を積むため、看護系学会の学術集会に参加を予定しており、その費用も計上する。
|