研究課題/領域番号 |
23593131
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
久留島 美紀子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50310628)
|
研究分担者 |
足立 みゆき 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20263494)
|
キーワード | 看護教育 |
研究概要 |
平成24年度は看護学生のメタ認知能力を測定する尺度を開発するために以下のことを行った。 1)看護学生のメタ認知能力を明らかにするために、看護学生を対象としたインタビュー調査を実施した。質的記述的分析の結果、看護学生のメタ認知は先行研究と同様にモニタリング、コントロール、メタ認知的知識から構成されていることが明らかになった。特に、机上での学習とは異なり、臨地実習ではモニタリングに患者や指導者といった他者の反応を用いている特徴が示された。また、既習内容を活用して状況の異なる患者の援助方法を選択したり、初めて経験したり、自信のない援助技術では、指導者のアドバイスを参考に援助方法を変えるというコントロールを行なうことで、自信をつけており、熟達化そのものをモニタリングしていることが示唆された。インタビューの結果と文献検討の結果を加え、メタ認知測定尺度のアイテムプールを作成中である。 (2)アメリカ合衆国のミネソタ州を訪問し、Augsburg大学看護学部、ミネソタ州立大学看護学部(ロチェスターキャンパス)、Luther大学看護学部(アイオワ州)を訪問した。現地の看護学実習室にはビデオカメラ、モニター室が設置されており、看護学生が自己の看護場面を客観視することが可能であり、メタ認知に必要なモニタリングの能力が強化できる教育環境であった。さらに、学生はグループでビデオ録画、視聴を行い、その結果をディスカッションしていた。このことから、メタ認知におけるモニタリングとコントロールが強化されていることが伺えた。また、技術教育担当教員と議論を交わすことができ、教授法開発に必要な知見を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は当初前年度に予定していたインタビューの実施、分析を実施から開始した。インタビュー協力者のリクルートに若干の時間を要したものの、インタビューを実施し、その結果、看護学生のメタ認知能力の構成要素を明確化できた。 また、先行研究の結果を含めアイテムプールを作成することができた。さらに、米国の看護教育の現場に赴き、講義や実習室の視察および、教員や学生と議論を通してメタ認知強化のために必要な教授法について知見を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度に引き続き、連携研究者とはインターネットを利用することで、効率的で迅速な会議を行なうことで研究を推進したいと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
また、本年度までの途中経過をまとめ、国内学会で発表する予定である。よって、学会参加にかかる旅費に研究費を使用する予定である。
|