本研究の目的は、足部の問題を抱える高齢者に提供する足ケアの身体効果を、日常生活活動の側面を加え明らかにすることである。 施設利用高齢者における足ケアが必要な状態は、主に肥厚を伴う爪白癬であり、爪削りが優先的ケアとなった。高齢者の多くはセルフケアへの介助が必要な中、ほぼ全員に何らかの足病変がありフットケアが必要であることが示された。施設利用高齢者に1年間の足ケアの提供を行った結果、3ヶ月の時点でSCIOスコア評価(爪白癬状態)に改善がみられた。しかし、1年後の時点では、SCIOスコアの改善した者と悪化した者がおり、さらに姿勢や動作機能では変化との関連を確認することはできなかった。
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