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2011 年度 実施状況報告書

インストラクショナルデザインを基盤としたICT活用教育教材の開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 23593139
研究機関九州大学

研究代表者

長家 智子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70207976)

研究分担者 原田 博子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40579421)
大池 美也子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284579)
道面 千恵子  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80363357)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードICT教育教材 / 看護学生 / eラーニング
研究概要

看護学生を対象として作成し活用している基礎看護技術に関する33コンテンツのICT活用教育教材について、インストラクショナルデザイン(もっとも効果的に勝つ効率的な教育を設計・開発するための方法論)に基づき、看護学生や臨床看護師が求める内容と質となっているかを研究代表者および分担者の4人で検討した。既存のICT活用教育教材は、看護学生が主体的に学ぶために一定の効果が上がっていたが、ARCSモデルに基づいて内容・質を評価すると、教材は鏡面であるために実際に自分が行うときの動作とは違うことから、技術を実施する看護学生側から撮影した教材も必要であることが示唆された。また、初学者がわかりやすいようにと、スピードを意識的にゆっくりとしたものにしていた。しかし、そのことが看護学生から技術を提供する場合は適切な速さを持つことが重要であるという意識を減弱させることになっていた。そこで、実際に看護技術はどの位の速さで行わなければならないか、またエキスパートナース(熟練した技術を持つ看護師。通常は、5年以上の臨床経験を持つ看護師をいう。)はどのように看護技術を実施しているのかがイメージできるような教材の必要性も明らかになった。さらに、作成後5年以上経過しているため、現在の臨床現場とは使用物品や環境をはじめ、提供されている技術にも微妙なずれが生じていた。看護学生の興味を引き確実な看護実践能力を身につけさせるためには、その部分の修正が必要であることが明らかになった。 以上のように明らかになった既存のICT活用教育教材の内容と質の評価に基づき、看護実践能力を高めるためにもインストラクショナルデザインとその理論を基盤としたICT活用教育教材を開発することの重要性が明確化した。学習者のニーズ評価のための評価用紙は作成の最終段階にあり、次年度のICT活用教育教材作成前に明確にしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、これまでの教育教材開発の経験を生かしてインストラクショナルデザインとその理論を基盤とした看護技術のICT活用教育教材を開発し、社会適用性が高い看護実践能力の育成に貢献しようとするもので、学習者にとって魅力ある教材を作成し、看護学生の学習意欲・教育効果や教育効率を高めることにある。今年度は、既存のICT教育教材をインストラクショナルデザイン(もっとも効果的に勝つ効率的な教育を設計・開発するための方法論)に基づき、看護学生や臨床看護師が求める内容と質となっているか研究代表者及び研究分担者で細かく検討し、明らかにしていった。これは本研究の第1段階として研究計画と一致するものであり、今後の計画を進めるために重要なことであったと考える。しかし、学習者のニーズ評価のための評価用紙が完成には至っておらず開発途中であることから、完全に計画通り進められたとはいえず、「おおむね順調に進展している」と評価する。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、前年度開発途中であった学習者のニーズ評価用紙を完成させ、それに従って看護学生のニーズを明確化する。これにより明らかになった看護学生のニーズと前年度行った既存のICT活用教育教材についての評価結果を合わせて再検討する。その上で、インストラクショナルデザインの5段階のプロセスに基づいて、既存のICT活用教育教材の修正を要する箇所を修正し、新たに必要と考えたものや不足するものなどを、そのニーズに沿って盛り込んだICT活用教育教材を開発する。ICT活用教育教材作成にあたっては、学習者のニーズを反映したうえで、すでに所有する撮影機材・編集機器を最大限に活用し、研究者または模擬患者をモデルとして撮影後、編集を行う。新たに作成したICT活用教育教材については、学習者である看護学生や臨床看護師が評価するための用紙を、動機づけのモデルであるARCSモデルを活用して作成する。その後、開発されたICT活用教育教材を看護学生に提示し、ARCSモデルおよびガニェの9教授事象を活用して看護学生の学習意欲の変化と教育効果を評価する。この際には、ホームページ上に動画を掲載し、自由に自己学習が可能な環境を整える。

次年度の研究費の使用計画

1,ICT活用教育教材の作成時に雇用する模擬患者と編集などの補助を担当予定の人材への謝金:平成23年度はすべての作業を研究代表者及び研究分担者で行った。次年度は撮影や編集・データ処理など作業量が多くなるため謝金が必要となるが、コンテンツ数の増加によりホームページ作成料が予定よりも多くなるため雇用を最低限にし、その分をホームページ作成料へ移行する。2,成果発表および外部施設との交渉のための旅費(国内旅費):研究の成果は国内の学会で発表予定である。また、臨床看護師に活用を考えており、その交渉のための旅費として必要である。臨床看護師に活用のための協力病院は、今までにも交渉のあった病院で協力が得られやすいが、協力の依頼・コンテンツおよび使用方法などの説明などに出向くことが予定され、当初予定より増額する。3,ICT 活用教育教材をインターネット上に掲載し、外部からの使用を可能とするための作業謝金:開発したICT活用教育教材は、看護学生が自由に自己学習できるようにホームページ上に掲載する予定である。この作業は専門的知識を持った業者でなければ難しいため、作業謝金として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 災害時救助・救護活動のための机上シミュレーション2012

    • 著者名/発表者名
      長家智子
    • 雑誌名

      看護教育

      巻: 53 ページ: 180-185

  • [学会発表] 机上ミュれーション活用による災害時救助・救護活動用教材開発2011

    • 著者名/発表者名
      長家智子、原田博子
    • 学会等名
      第13回日本災害看護学会
    • 発表場所
      さいたま市
    • 年月日
      2011.9.10
  • [学会発表] 学生の視点から見た静止画IT教育教材の開発と評価2011

    • 著者名/発表者名
      長家智子、大池美也子、原田博子、道面千恵子
    • 学会等名
      第31回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      高知市
    • 年月日
      2011.12.3

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公開日: 2013-07-10  

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