研究課題/領域番号 |
23593140
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
新地 浩一 佐賀大学, 医学部, 教授 (30404164)
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研究分担者 |
梅崎 節子 佐賀大学, 医学部, 研究員 (10588784)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 災害看護 / 看護教育 |
研究概要 |
平成23年度を準備期間として、実践的な災害看護教育(基礎教育・技能訓練・災害シミュレーション実習)の構築の準備を行い、一部の教育を看護学科4年次の「国際看護論」(1単位15時間)の中で試行的に実施した。 特に、総合的な実習(選択コース:2単位60時間)の中に、災害看護コースを設けて、災害シミュレーション実習の予行とした。12名の看護学生(4年生)に対して、トランシーバー等の通信機器の使用法やSTART式トリアージを含む実践的な災害看護の教育を行った。 地域・国際保健看護学講座の大学院生(医学研究科・看護学修士課程の5名の大学院生(西尾美登里、南嶋里佳、花田陽子、山下ひとみ、石丸律子)を研究協力者として、Teaching Assistant を含む教育や研究の補助業務を行わせて、教員の人材育も図った。 また、災害医療の経験豊富な医師(熊本赤十字病院 高村政志氏)を招聘して、災害看護に関する実践的な実習指導や教育研修の指導を受けた。 国内で行われる災害看護関連の学会参加の機会を通じて、最近の災看護教育の実情について情報収集を行った。時に第26回日本国際保健医療学会学術大会や第17回日本集団災害医学会総会にて、佐賀大学における実践的な災害看護教育について紹介し、専門家との意見交換を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年3月に発生した東日本大震災における災害医療支援で、「こころのケア」チーム等に研究分担者や協力者を派遣したため、23年度の前半の研究にやや遅れが生じたが、概ね順調に進展している。23年度は、震災の影響で急患空輸の研修ができなかったため、謝金等が次年度に繰り越しとなった。24年度は、ヘリコプターによる急患搬送の研修も実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度から、看護学科4年次に災害看護論を開講し、約50名の学生を対象として、実践的な災害看護教育を開始し、課題探求能力の向上を目指す教育を推進する予定である。 平成24~25年度において、災害看護教育の前後における教育効果の評価を実施する。評価においては、学生の災害看護における知識の評価だけでなく、災害対処の際に、看護職者として冷静な判断能力を身につけて、適切なトリアージや救急処置ができるかどうかの能力を教員が評価する。対象学生の実技評価を客観的に行うと同時に、学生への自記式質問紙調査票の配布およびインタビューによる教育効果の評価を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
教育法の開発研究に必要な消耗品や教材の購入に研究費を使用するとともに、平成24年8月に英国で開催される第2回世界災害看護学会に研究分担者と研究協力者各1名を派遣して、発表させる予定である。国際学会において、佐賀大学における実践的な災害看護教育について紹介するとともに、世界各国の専門家との意見交換を実施し、研究のさらなる発展に結び付ける。国内における災害医療関係の学会にも積極的に研究者を派遣し、情報収集を継続する。
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