研究課題/領域番号 |
23593145
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
渕本 雅昭 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (00452996)
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研究分担者 |
中村 恵子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (70255412)
内田 雅子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (60326494)
菅原 美樹 札幌市立大学, 看護学部, 准教授 (60452992)
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キーワード | 看護OSCE / 専門看護師 / 看護実践能力 |
研究概要 |
専門看護師教育課程における高度な看護実践能力の総合的な評価に向けて、本研究はクリティカル領域で必要とする看護技術の中から、専門看護師教育課程で教育・評価すべき看護技術を抽出・選定し、それらの到達度を明確にしたOSCEによる急性・重症患者看護専門看護師実践能力評価プログラムを開発することを目的とする。本年度は、昨年の結果を踏まえて、抽出された看護実践項目を基盤としたOSCEシナリオ作成に向けた基盤作りを行った。まず1つ目に、シナリオ作成に向けて、OSCEの基盤となる教育デザインに関する研究のリサーチ、ならびにインストラクショナルデザインをもとにした学習の視察を行った(琉球大学クリニカルシミュレーションセンター)。また、関連学会に参加し、シミュレーション教育に精通されている諸先生から研究に向けてご示唆を頂いた。2つ目に専門看護師が考える「高度な看護実践」とは何かを検討した。昨年度は、専門看護師が大学院教育において学習されるであろう看護実践について調査した。その結果、看護技術に関する項目は抽出されたものの、その技術に関する質的な研究までには至らなかった。また、日本看護協会は「高度な看護技術」と唱っているが、「高度な」の意味合いにおいてまでは言及されていない。先行文献等のリサーチでは、「看護実践」と何かを明示した概念分析研究は散見されたものの、専門看護師の「高度看護実践」に関する概念枠組みとなる研究は見当たらなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
専門看護師教育課程における高度な看護実践能力の総合的な評価に向けて、本研究はクリティカル領域で必要とする看護技術の中から、専門看護師教育課程で教育・評価すべき看護技術を抽出・選定し、それらの到達度を明確にしたOSCEによる急性・重症患者看護専門看護師実践能力評価プログラムを開発することを目的としている。昨年度はその評価すべき技術項目を抽出し、高度な看護技術を明らかにすることができたため、次年度に向けたOSCE開発の礎を築くことができた。本年度はそれらをふまえて、専門看護師の高度看護実践とは何かを明らかにすべく、専門看護師数名に協力を得てグループフォーカスインタビューを予定していた。しかし、被験者の日程調整の折り合いがつかず、先送りとなってしまったため研究の進捗に影響を及ぼしてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年から今年度にかけて高度な看護実践能力として評価すべき技術項目を抽出し、クリティカルな状況で必要な看護技術を抽出した。そして、その看護実践の概念は何かまで明らかにするまでの手順までは踏んだ。今年度は高度な看護実践とは何かを質的な側面から明らかにし、高度な看護実践能力の総合的な評価に向けたOSCEシナリオの構成要素を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度も学会旅費および研究相談(主に東京~札幌間)のための旅費として運用したい。その他、印刷紙やデータ保存用のハードディスク等の消耗品の購入、被験者への研究協力費、研究協力者への人件費として活用したい。また、昨年度の補助金に残額が出たのは、物品や旅費が当初予定していたより支出額を抑えることができたためである。
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