研究課題/領域番号 |
23593156
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90168998)
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研究分担者 |
長谷川 真美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00164822)
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20310625)
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (30381429)
新井 利民 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00336497)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インタープロフェッショナルワーク / 自己評価尺度 |
研究概要 |
地域中核病院の職員が有するIPWコンピテンシーの特徴を明らかにすることを目的に調査を行った。調査対象者は6病院の全職員2,231人で、研究者らが作成した24項目の自記式質問紙による郵送調査である。回答は4件法とし、調査期間は平成23年12月から平成24年2月である。分析はSPSSVer.20forWindowsを使用した。回収数は1,530人(回収率51.2%)であり、職種は看護師773名(50.5%)、事務職233人(15.2%)、医師97人(6.3%)、看護助手62人(4.1%)、臨床検査技師60人(3.9%)、理学療法士42人(2.7%)、薬剤師31名(2.0%)、助産師25人(1.6%)、社会福祉士19名(1.2%)、栄養師18名(1.2%)、作業療法士15人(1.0%)等であった。24項目の平均値は「私は他の専門職を対等な仲間として尊重する」(3.47)、「私は他の専門職をねぎらう」(3.18)、「私は他の専門職の役割を理解しようとする」(3.16)、「私は他の専門職から患者の情報を聞く」(3.15)、「私は他の専門職に患者の情報を伝える」(3.15)の順に高く、「私は患者・家族を交えたケア会議の開催を必要に応じて提案する」(1.9)、「私は他の専門職同士のやりとりで議論の内容が整理できるような方法を提案する」(1.9)が低かった。天井効果、フロア効果が見られた7項目を除外して因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行った結果、2因子が抽出された。累積寄与率は第1因子が54.6%、第2因子までで61.2%であり、各項目の因子負荷量は0.94~0.45であった。第1因子は「チーム活動の実践」、第2因子は「相互理解」と命名した。Cronbachの信頼性係数αは全体では0.952、第1因子は0.94、第2因子は0.900であり、因子同士の相関は0.724であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記した内容のうち、23年度は調査票を作成し、地域中核病院における専門職者の全数調査を実施した。分析に必要な対象者を確保し、データを収集することができた。現在、評価尺度の信頼性妥当性検証のための分析を進めている段階である。 一方、当初計画では、地域中核病院における調査に加えて、介護福祉施設・介護保健施設のチームアプローチの担い手を対象とする調査を計画したが、上記地域中核病院における調査の実施にあたり、当初予定以上に大規模の調査となり、介護福祉施設、介護老人保健施設における調査を実施できなかった。しかし、今年度の調査から調査票が評価尺度として活用可能であると考えられるため、来年度は作成した調査票を活用して、これらの施設を対象とした調査を実施できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に収集した地域中核病院における専門職者のインタープロフェッショナルワークに関する自己評価尺度作成のためのデータ分析を進め、修正版評価尺度を作成する。作成した修正版評価尺度について、信頼性、妥当性を検証する調査を一施設において実施する。 また、介護福祉施設、介護保険施設における調査を計画実施し、高齢者長期ケアの場におけるインタープロフェッショナルワークの評価尺度の作成を目指す。 並行して、25年度予定している地域の機関間連携に関する調査項目について情報収集を行い、調査の実施に向けて準備をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度に収集したデータを解析する装置を整備する必要があり、そのための経費として使用する。また、すでに成果として明らかになった部分について、学会や論文投稿によって広く公表するため、旅費等として使用する。 24年度に高齢者介護福祉施設、介護保険施設での調査を実施するための経費(調査票印刷費、郵送費等)として使用する。 25年度に実施する地域の機関間連携の場における調査準備のために、資料収集の他、先駆的に実践している地域での視察のための旅費として使用する。
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