研究課題/領域番号 |
23593157
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
鈴木 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20281561)
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研究分担者 |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00291740)
山口 乃生子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70381431)
大場 良子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (80381432)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 看護教育 / TBL / 教育プログラム |
研究概要 |
TBL Team-Based Learningは、少人数グループによる互恵的な相互依存関係の構築を可能とし、さらに問題解決技法を取り入れた教授方法である。本研究の目的は、新しいPBL教育ストラテジーとして、TBLを用いた看護学における教育プログラムを開発することであり、平成23年度は、以下の2点に取り組んだ。1)国内におけるTBL教育の現状調査 国内の医学系教育機関でTBL教育を導入している大学として、国内2校(九州大学および佐賀大学の医学部医学科)への視察を実施し、英語教育におけるTBLの教材作成者との意見交換、そして医学専門科目に対するTBL授業への参加を実施した。そのほか看護専門分野や医学教育分野の学会において、TBL教育の実践状況や教育の実態(講義時間内におけるTBLの割合、教育運営方法)などの情報収集をした。2)成人看護学分野でのTBL教育プログラムの開発 分担研究者が試作したTokiwa’s TBL modelによる教育プログラムで教育実施した。e-Learning学習システム「Web-class」を利用し、教員と学生間および学生間で情報交換できるBBS機能、VOD教材などを活用したPBLの授業方法を生かして授業展開を実施した。TBL教育コンテンツは、看護師国家試験を意識した教育コンテンツを作成し、個人準備確認テストIndividual Readiness Assurance Test(IRAT)やIRAT実施の後にグループで同じテスト(グループ準備確認テストGroup Readiness Assurance Test:GRAT)を「双方向型教育スターターキット LEON」を使用し、これらの教育効果や課題を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1:保健・医療系教育課程においてTBL教育を導入している国内外の教育施設のうち、国内の看護教育機関で導入しているところは1件のみであり、医学教育分野での教育実践が活発であった。このため医学教育の一部を視察した。また米国のTBL教育のパイオニアが参加するメイリングリストの交流にも加わるなど、研究を進める上での準備を整えてきた。このほか、看護教育系学会にてTBL教育に関するワークショップを開催するなど、国内の看護教育においてTBL教育を紹介することを通して、TBL教育の看護教育のへの導入への期待などを把握することができた。研究2:看護教育に適するTBL教育プログラム教材の作成については、プログラム案を作成・実施し、その成果を分析中である。この評価結果をもとに、さらに学習教材を開発する過程にあり、さらに教育プログラムを洗練させていく予定である。教育機材として「双方向型教育スターターキット LENON」を購入し、その活用に関しても試行を行い、効果的な活用方法についても検討を始めたところである。教育方法の検討を進めることができ、研究の進捗としては順調に進められていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究1:TBL教育を導入している教育施設の視察調査として、国外の教育機関での視察を計画中である。看護教育分野での教育実践を視察、そして意見交換するための視察先として、カナダ、台湾の看護大学を候補としている。この視察では、教授方法のキーとなる学生とのディスカッションの意義や設定する学習到達目標と評価方法について調査を進める予定である。研究2:看護教育に適するTBL教育プログラム教材の作成に関しては、昨年度作成した成人看護学分野の学習教材を見直し、さらに検討を加えてプログラムを作成する。そして、比較検証実験のための準備を進める。具体的には実験のための研究計画書を作成、とくに開発したTBL教育プログラムの検証を調査するために使用する尺度の検討、倫理審査を受けることを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度補助金の一部が残った理由としては、複数の分担研究者が出産や育児休暇に入ったこともあり、国外視察を実施しなかったことが主な理由である。 平成24年度は、国外視察に充当する予定で、国外2校(ブリテイッシュコロンビア大学看護学部、台湾大学看護学部)を候補として、平成23年度分の研究費を活用する計画である。
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