研究課題/領域番号 |
23593166
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
若林 たけ子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10381914)
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研究分担者 |
小池 敦 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10321316)
灘波 浩子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (70453082)
井上 直子 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (60609270)
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キーワード | 中規模病院 / スケールデメリット / 卒後研修システム |
研究概要 |
本研究の目的は、スケールデメリットを抱える中規模病院を対象に、卒後研修システム構築支援プログラムを開発し、スケールデメリットの克服を目指すことである。 中規模病院の院内研修指導体制の実態調査から、以下の状況と課題が明確になった。現任教育体制の内訳は、①経年別、②ラダー、③複数組み合わせで、導入理由は、①中途採用者が多く基礎教育・卒後教育背景の多様性、②目標管理との連動や人事考課の指標、③准看護師の比率が多く中途採用者のフォロー困難など、多様な看護職員の背景があった。これらの教育運営過程での課題は、①個人差成長への対処困難、競争意識不足、②アウト・カム設定困難、評価を活かせない、③研修企画や到達目標のレベルアップ困難など、各体制独特の問題を抱えており、いずれも適否について決定的なものは見いだせない状況にあった。また、教育プログラムのニーズ調査にアセスメントツールを使用している施設は皆無であった。 以上の実態を踏まえて、看護管理者の半構成的面接から抽出された課題は、①新人看護師が育たない、②中堅看護師が育たない、③リーダーが育たない、の3つのカテゴリーで、これらはそれぞれに連動しており、①はバーンアウトや退職に、②は負担の偏りやチームワークの乱れに、③は組織内の不安定や看護の質向上の弊害要因となっていた。 以上の結果を踏まえ、25年度に実施したワークショップから導き出された卒後研修システム構築のキーワードは、①各施設の制約の把握と分析、②各施設の望ましい看護師像の設定、③スタッフのニーズ分析とそれに基づく教育内容の抽出、④教育方法の利点・欠点を熟知した選択と活用、⑤現実的で評価可能な教育計画の立案、⑥スケールデメリット克服のための連携と相互教育補完の実現の6点が抽出された。
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