研究課題/領域番号 |
23593168
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
糸島 陽子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (70390086)
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研究分担者 |
奥津 文子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10314270)
前川 直美 聖泉大学, 看護学部, 講師 (20352916)
大門 裕子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (90552638)
BECKER CARL.B 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (60243078)
荒川 千登世 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10212614)
本田 可奈子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (60381919)
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キーワード | エンドオブライフ教育 / 看護学部生 / 教育プログラム |
研究概要 |
平成24年度は、『看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラムの構築』の第2段階として、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」の評価を目的としている。 平成23年度に実施した新人看護師とその所属看護師長のエンドオブライフに対する教育ニーズをもとにプログラムを作成後、ターミナルケア論、ターミナルケア論演習、ターミナルケア論実習においてプログラム試案を実施した。特に、講義では「緩和医療・ケアの実際」、演習では「コミュニケーション」「看取りケア(エンゼルメイク)」の内容を取り入れた。また、ターミナルケア論実習では「辛かった」体験を自由に語れる場を設けて共有した後、学生が実践したケアからエンドオブライフケアを考えるようなカンファレンス展開とした。 プログラムの評価として、ターミナルケア論終了後と、ターミナルケア論実習終了後に、Frommeltの医療者のターミナルケア態度日本語版(FATCOD-Form B-J)、死生観尺度、講義や演習内容の必要性、実習前の希望などの質問紙調査を行った。ターミナルケア論終了後のターミナルケア態度日本語版総得点の平均値109.2点、死にゆく患者へのケアの前向きさ56.0点、患者・家族を中心とするケアの認識53.2点、死の考え方3.9点であった。今後、ターミナルケア論実習においても同様に集計して、ターミナルケア論とターミナルケア論実習終了後の学部生の変化を評価していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の調査結果より、「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を作成し、本学のターミナルケア論、ターミナルケア論演習、ターミナルケア論実習において、プログラム試案を実施している。特に、ターミナルケア論実習のカンファレンス方法の検討を重ね、エンドオブライフケアについて考える機会を持てるようになったことは評価できる。 しかし、カリキュラム改正に伴い評価する時期が変更になったため、次年度の計画を修正しながら、プログラム試案の評価・修正を継続していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は平成24年度評価・修正した「看護学部生に対する分野横断的なエンドオブライフ教育プログラム試案」を再評価をして、講義・演習・実習で考えていかなければならないことを明確化させる。死にゆく患者とその家族により添える力と、エンドオブライフケアが実践できる援助技術の育成のための教育プログラム内容をさらに検討していく予定である。 次年度は、看取りのケアを実践した学生に対してインタビュー調査を行い、看取りが与える影響について検討するとともに、講義・演習・実習内容の再検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、看取りをした学部生に対してインタビュー調査を行予定で、学部生への謝金等が必要となる。また、エンドオブライフ教育の関連学会に参加して、最新の知見を得て、エンドオブライフ教育プログラムの修正をしていく予定である。
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