研究課題/領域番号 |
23593169
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山本 容子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00321068)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (80259431)
滝下 幸栄 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10259434)
室田 昌子 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (80610641)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 手指衛生 / プログラム構築 / 看護基礎教育 / 看護継続教育 / 感染予防 |
研究概要 |
医療関連感染防止のために,すべての医療従事者が感染予防行動を身につけることは重要な課題である.本研究の目的は,看護基礎教育から継続教育まで活用できる手指衛生の改善のための標準的支援プログラムを構築することである. 今年度は,学士課程2年生及び3年生,継続教育として単科精神科病院の看護師への手指衛生に関する教育的介入と評価を行った.研究時期は2011年4月~2012年3月,学士課程2年生には,看護技術関連科目「治療援助論」において,簡易細菌検査法及び蛍光色素法を用いた手指衛生の演習を行った.また,看護技術演習(注射,導尿等)毎の感染予防行動の自己評価,総合評価等を記録するポートフォリオを導入した.さらに,臨地実習前にATP拭き取り検査法を用いて手洗い演習を行った.ポートフォリオの活用により,学生は感染予防行動が重要だとする思いを強め,手指衛生や防護具着用に関する知識を強化していた.また,ATP拭き取り検査法の導入は,手指の汚染状況を確認する機会となり,手指衛生の重要性を再認識し臨地実習中の手指衛生の実践につながっていた. 学士課程3年生には,看護学の統合と発展科目「看護マネジメント論」において,蛍光色素法を用いた手袋の外し方と,手指衛生の必要な5つの場面について演習を行った.これにより,学生は,手袋を外した後の手指衛生の必要性及び患者エリア内での手指衛生の必要性への思いを強化していた. 看護師に対しては, ATP拭き取り検査と蛍光色素法を併用した手洗い及び,蛍光色素法を用いた手袋の外し方の演習を行った.手指衛生が重要であるという思いを強化し,自分自身の手洗い方法についての振り返りをする機会となっていた. 以上から,これらの教育的介入は,学士課程看護学生,看護師の手指衛生の改善に有効であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の通り,看護基礎教育における手指衛生改善のための支援プログラムの実施と評価を行ったことに加え,次年度に実施予定であった継続教育における支援プログラムの実践と評価も一部行った.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,看護基礎教育における手指衛生改善のための支援プログラムの実施と評価を継続していくこと,及び,継続教育における支援プログラムの実践と評価をすすめていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
教育的介入に使用するための,ビデオ装置一式,プロジェクター,レーザープリンタ,ノートパソコン等の備品及び,簡易細菌検査に係わる費用,ATP拭き取り検査のための試薬,文房具等の消耗品,研究成果発表のためのポスター作成費,出張旅費,データ入力のための人件費に使用する予定である.
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