研究課題/領域番号 |
23593172
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
谷田 恵子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60405371)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 睡眠 / 高齢者 |
研究概要 |
老健施設に入所している高齢者14名を対象として、日中の活動量の睡眠状況への影響を検討するために、活動量が増加すると予測されたリハビリテーション実施日、入浴日、およびそれ以外の日の心拍データと身体活動量データを比較した。データ収集期間中にリハビリテーション(1~2回/週)を受けていたものは6名であった。対象者の多くは運動機能障害や軽度~中等度の認知症を伴い、昼間は、食事時以外は床上で過ごすことが多い、車椅子で過ごすことが多い、トイレ歩行以外は行動が少ない、などの身体活動量・レベル共に少ないことから、リハビリや入浴などの行動が睡眠に多少の影響があるのではないかと推測していた。しかし、身体活動量計により得られたデータからは、入浴やリハビリテーションが夜間の睡眠におよぼす影響は認められなかった。また、心拍データから得られる24時間の自律神経系活動量(RR間隔の周波数解析から得られる高周波成分と低周波成分から評価した交感神経系・副交感神経系活動)でも、入浴やリハビリテーションの影響は読み取れなかった。その要因として、入浴は9時~15時までの間の15分程度と短く、その実施時間帯も早く、また、リハビリテーションについても、9時からあるいは13時からの30分程度と短時間でかつ身体活動量の著しい増加を伴わない性質のものであったことから、睡眠に影響を与えなかったと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は高照度の光源を用いた光環境の調整による介入を予定していたが、照明器具からの高照度の光が眩しく不快と感じる対象が多かった。そのため、次年度に予定していたアクティビティプログラムを、入所高齢者を対象として今年度に実施することとした。しかし、選択したビデオゲームのいずれもが片麻痺や認知症のある対象には遂行困難であったことから、別の方法を再検討する必要性を生じた。さらに、データ収集施設側および研究者側の諸所の理由が重なり、データ取集を中断する必要性が生じた。以上の理由により、予定して以下介入を行った上でデータ収集は年度末に再調整を開始したところであり、当初の計画よりも遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、高照度の光源を用いた光環境の調整による介入を予定していたが、照明器具からの高照度の光が眩しく不快と感じる対象が多かったことから、次年度に予定していたアクティビティプログラムを、入所高齢者を対象として今年度に実施することとした。しかし、選択したビデオゲームのいずれもが片麻痺や認知症のある対象には遂行困難であったことから、別の方法を再検討する必要性を生じた。そこで、今年度予算を次年度に繰り越し、次年度にはリハビリ用にプログラムされた難易度の低い大型のゲーム機をリースして介入を行う。 光環境の調整については、自然光を活用するなどして、再度試みる予定である。また、引き続き施設入所者から光調整とゲームや音楽療法などのアクテビィケアの効果を評価するためのデータ収集を行うとともに、ディケアサービス利用者からもデータ収集を実施する予定である。また、データ収集の効率を上げるために、データ収集施設数も増やす予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度から繰り越す予算(約40 万円)は、高齢者用ゲームのリース料に充てる予定である。次年度に購入予定であった家庭用ゲーム機本体、ソフトウェア、関連機器等については、今年度に購入したため、それに予定していた次年度予算は、データ収集施設数を増やすことにより追加で必要となる活動量計の購入に充てることとする。
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