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2011 年度 実施状況報告書

看護技術の適応的熟達に伴う思考と感情の変化過程に関する実験検証

研究課題

研究課題/領域番号 23593178
研究機関福岡県立大学

研究代表者

永嶋 由理子  福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10259674)

研究分担者 山川 裕子  佐賀大学, 医学部, 准教授 (00259673)
渕野 由夏  福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20316144)
加藤 法子  福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20330699)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード看護技術 / 熟達化 / 血圧測定
研究概要

本研究は,看護技術の熟達化に至るまでの過程に着目し,その過程で起こる身体的動作の向上と,随伴して起こる思考と感情の変化を科学的な視点から検証し,その影響度を検討することにある. 平成23年度は,看護技術の「適応的熟達」(実践を通して構成された概念的枠組によって,問題状況の変化に柔軟に対応し適切なスキルの実行を導くことができること)段階に至る過程で起こる思考の変化を科学的視点から検証するために,文献レヴューおよび実験プロトコールの作成を行った. 思考の変化を検証するために,光イメージング脳機能測定装置(Spectratech OEG-16)を使用する.この装置はノートパソコン半分程度の大きさながら16チャネルの計測点を同時測定できる機能をもつ簡便でかつコンパクトな前頭葉専用装置である.移動も可能で多様な測定にも対応できることから,動きの伴う看護技術に適応できる装置であり,実験結果の信頼性も高いと判断した.身体的動作の向上については,簡易型動作分析支援システム(EASY-8)を使用し,客観的に分析を行う. 実験プロトコールについて次のように作成した.(1)対象者:看護師および学生,各2~4名程度,(2)対象看護技術:血圧測定,(3)実験時期:8~9月(学生は夏休み期間とする),(4)実験方法:被験者に光イメージング脳機能測定装置を装着し,血圧測定を1日20回実施.1回毎に休憩を3分入れる.それを2日間実施.血圧測定中に脳内の血流量変化をリアルタイムで複数点測定する.(5)ビデオ録画する(動作分析支援システムを使用し解析)(6)実施毎に自作の記録用紙(実施して技術が上達したと自覚したこと,うまくいかなかったこと,うまくいかなかったことについて次回解決したいこと,創意工夫した点など)に記入,(7)プラス感情・マイナス感情について段階的な評価を毎回行う,(8)自己効力感の評価を毎回行う.次年度プレ実験を実施.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,看護技術の熟達化を科学的に検証するために,研究1として文献レヴューを行った.看護技術分野における身体的な動作向上の科学的検証は先行研究で確認することができた.しかし,看護技術を行っている際の実施者の思考を科学的に検証していた文献を発見することができなかった.そのため,関連研究を他分野まで広げ文献収集することになり,レヴューが10月迄かかった. レヴュー後,研究2として科学的検証の実験プロトコールを作成するために,光イメージング脳機能測定装置でどこまで解明することが可能かや,測定方法について専門家を含めた検討会を行った.しかし,専門家は東京在住のため,頻回に検討回を開催することが困難で,メールや電話でのやり取りなど,時間を要すことになった.それと並行して,実験プロトコールの作成に向け,共同研究者と検討を繰り返した.学内の共同研究者とは,時間的な問題はクリアできたが,他県の共同研究者との検討会を開催するのが,月に1回程度となってしまった.共同作業を行う不便さはあったものの,長年関連テーマで共同研究してきたため,メールや電話でのやり取りで内容は十分に反映させることができた.共同研究者とともに,実験プロトコールの作成に取りかかり,実験環境や実験道具,実験条件,実験方法について年度内に作成することができた. 以上により,平成23年度に計画していた研究をおおむね遂行することができたと評価する.

今後の研究の推進方策

平成23年度に作成した実験プロトコールについて,実験方法の妥当性を専門家の意見を参考に,共同研究者を交え最終確認後プレ実験を実施する.プレ実験では,プロトコールに則り実施するが,実際に動きの伴う看護技術においても光イメージング脳機能測定装置で正確なデータがとれるか確認作業を行う.装置装着や動作時のデータ収集に問題がなければ,解析段階に進む.解析は,東京の専門家に指導を仰ぎながら進めていく予定である.また,身体的動作向上の確認は,血圧測定中の全ての工程を録画し,データを簡易型動作分析支援システムに取り込み分析する.分析の際は,購入業者に確認してもらいながら正確に行う.記録や自己評価は,目的に適っているかや内容が反映されているかなど検討し,改良する余地があれば修正および追加等加え,妥当性のある指標にしていく予定である. 以上のように,平成24年度は本実験を見据えて,信頼性の高い実験になるまでプレ実験を行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の研究費,直接経費600,000円は以下のように計画する.(1)研究打ち合わせ費(東京往復:6回):210,000円(2)共同研究者配分(6名 20,000/1人):120,000円(3)ノートパソコン(Let'snote B10シリーズ CF-B10W)1台:270,000円

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公開日: 2013-07-10  

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