研究課題/領域番号 |
23593187
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
永野 光子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90320712)
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研究分担者 |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00229098)
亀岡 智美 独立行政法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (50323415)
吉富 美佐江 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30456462)
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キーワード | 看護師 / 倫理的行動 / 自己評価 / 自己点検・評価システム |
研究概要 |
本研究の目的は、病院に就業する看護師が、自律的に倫理的行動の改善・調整を可能にする「臨床看護師のための倫理的行動自己点検・評価システム」を開発し、その普及に向けシステムの有効性を検証することである。この目的達成に向け、平成24年度は、病院に就業する看護師が日々の職業活動において実践している倫理的行動の全貌を解明する計画であった。 データ収集は、ネットワークサンプリングにより承諾の得られた病院や看護継続教育機関に研究者自身が出向き、看護師に直接質問紙を配布し研究協力を依頼する方法により行った。それは以下の理由による。病院に就業する看護師が日々の職業活動において実践している倫理的行動は、看護師が日常的に行った、あるいは行っている行動である。そのため、看護師の行動が倫理的な行動であったとしても、看護師自身が「善である」と知覚していない限り倫理的行動に関するデータとして提供されない可能性がある。そこで、看護師が日常的に行っている倫理的行動を思い起こしてもらうために、具体的な臨床場面を例にとり、対面して協力を依頼する方法を採用した。測定用具には、看護師の倫理的行動に関する質問紙と看護師特性調査紙を用いた。質問紙の回収は、返信用封筒を用いた個別投函とし、質問紙の返送をもって看護師個々の研究参加への同意を得られたものと判断した。 平成24年度までに、合計1230名の看護師へ対面により協力を依頼し質問紙を配布した。返送された質問紙は278部であり、回収率は22.6%であった。このうち、看護師の倫理的行動に関する質問に回答があった262部を有効回答とし、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析(舟島、2007)を用い分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、看護師の倫理的行動に関するデータを収集し、質的帰納的方法により全貌を解明する計画であった。目標数を300データに設定しデータ収集を行ったが、当初の予想よりも回収率が低く、データ収集に時間を要した。そのため、データ分析の開始が計画よりも遅れ、今年度の目標を達成することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、以下の計画を推進する。①平成24年度までに収集した看護師の倫理的行動に関する自由記述を質的帰納的に分析し、看護師の倫理的行動の全貌を解明する。②①の成果を基盤に、質問項目の作成、尺度化、レイアウトを行い、「倫理的行動自己評価尺度-臨床看護師用-」を作成する。③専門家会議とパイロットスタディにより尺度を検討・修正する。④「倫理的行動自己評価尺度-臨床看護師用-」を用い、病院に就業する看護職者を対象とした全国調査を実施し、信頼性・妥当性を検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、質的帰納的に解明した成果を基盤とした尺度を作成し、信頼性・妥当性の検証を目的としている。そのため、専門家会議を開催する会議費、謝金、及び臨床看護師を対象としたパイロットスタディと全国調査を行うための質問紙印刷代、郵送費、データ入力代が必要である。
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