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2012 年度 実施状況報告書

ITを活用した転倒予防対策の費用効果分析

研究課題

研究課題/領域番号 23593188
研究機関順天堂大学

研究代表者

飯島 佐知子  順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80389890)

研究分担者 豊川 智之  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40345046)
キーワード国際研究者交流 / アメリカ / フロリダ / 退役軍人病院 / 転倒予防
研究概要

[目的]IT化したツールを用いた患者の転倒リスク項目から傾向スコアを計算し、転倒予防対策の効果を評価した.
[方法]申請者らが開発したIT化した転倒リスクアセスメントと連動した標準転倒予防計画を使用している病院で2009年11月~2012年4月に収集された47681件を分析の対象とした。転倒リスクアセスメント18項目にしたがい49種類の予防対策が実施された。分析方法は、まず転倒リスクを独立変数とするロジスティック回帰分析から転倒に関するオッズ比を求めた。次に、転倒リスクを独立変数、各転倒防止ケア実施有無を従属変数とするロジスティック回帰分析から算出した傾向スコアを用いて、転倒防止ケアごとに実施群と未実施群のマッチドサンプリングを行い、オッズ比を算出した。統計パッケージはSTATA11を用いた。
[結果]オッズ比は48種類の対策中45種類の対策が実施した群で有意に転倒が少なかった。以下、オッズ比が低い対策は「対策リラックスのための音楽」0.13(95%CI:0.15-0.57)、「スタッフ間で転倒者の情報共有を図る」0.15(0.08-0.26)、「衝撃吸収マット」0.19(0.08-0.41)、「転倒者マーク」0.19(0.11-0.31)「転倒の状況と対策をカルテでチェックする」0.19(0.11-0.31)、「転倒の原因分析と個別対策の記録」0.21(0.13-0.33)、「排泄介助時そばを離れない」0.30(0.05-1.17)「病棟オリエンテーション」0.30(0.17-0.49)「Nrsステーション近くへ移動」0.31(0.18-0.49)「床マットレス療養の検討 」0.37(0.21-0.63)
[結論]傾向スコアを用いて転倒リスク調整を行ったところ、48種類の対策中45種類の対策が実施した群で有意な効果が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は転倒予防対策の実施している病院から47681件のデータを収集し分析した結果、患者の転倒リスクに応じた転倒予防対策の項目別の効果が明らかになった。また、5月に米国フロリダでの転倒予防学会に参加し、ジェイムズAヘーリー退役軍人病院や患者安全研究センターの副所長のパトリシア・クイグリー博士から、退役軍人病院での転倒予防対策の実際や物品の使用状況や研究の動向について視察を行った。
現在、新たに研究参加の意思を表明した研究協力病院での、病棟ごとの介入調査を行うための倫理審査や院内の電子カルテ上に転倒アセスメントと予防対策システムの導入がが遅れているため、病棟別の介入調査が遅れている。

今後の研究の推進方策

今年度は新規病院で病棟別の介入研究を行う。転倒リスクアセスメントのITツールを電子カルテ上に搭載し、病棟別に導入群と非導入群を設定しして介入を行う。
また、6月にジェイムズAヘーリー退役軍人病院や患者安全研究センターの副所長のパトリシア・クイグリー博士を招へいし、転倒予防の具体的方法や研究動向について研究協力病院で講演を依頼し、転倒予防対策について情報交換を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

電子化のためのシステムエンジニアへの謝礼を支払う。
年度は統計パッケージはSTATA1を用いて分析したところ、データ数が多くなったため、分析に支障をきたすようになったため、分析用パソコンを新規に購入する。
また、費用効果分析のための統計パッケージTreeAgeProを購入する。
研究協力病院に、アラームやマット、ヒッププロテクターなど転倒予防物品を購入うして配布する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] シンポジウムI電子化した転倒リスクアセスメントツールの費用最小化分析2013

    • 著者名/発表者名
      飯島佐知子
    • 学会等名
      第3回日本看護評価学会学術集会
    • 発表場所
      東京大学医学部研究等
    • 年月日
      20130227-20130228
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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