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2014 年度 実績報告書

ITを活用した転倒予防対策の費用効果分析

研究課題

研究課題/領域番号 23593188
研究機関順天堂大学

研究代表者

飯島 佐知子  順天堂大学, 順天堂大学・医療看護学部, 教授 (80389890)

研究分担者 豊川 智之  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345046)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード転倒予防 / 傾向スコア / 費用効果分析 / 前後比較 / マッチング / 医療費分析
研究実績の概要

本研究では、電子した転倒アセスメントツールと連動した転倒予防対策立案システムを導入した費用と効果を評価した。A病院では導入前の2007年では、転倒インシデント報告率が1000入院日あたり0.82‰ 、転倒アクシシデント報告率が0.11‰であった。導入後の2009年には、インシデント報告率が1.28 ‰ 、アクシシデント報告率が0.11‰であった。2010年は1.32‰、0.10‰、2011年は1.40‰、0.11‰で有意差を認めなかった。
アセスメントと計画立案に要する費用は導入前(2007年)が患者1人あたり560円、で導入後(2009~2011年)が493円で有意に低くかった(p<0.01)。また、転倒による受傷の治療費は、導入前が受傷者1人あたり657,013円に対して、導入後が280,779円であった(p=0.03)。これは骨折の手術を受ける患者が減ったことによるものであった。
対策実施群と対照群への患者の割り付けは倫理的配慮から困難であっため、個々の予防対策の効果は、傾向スコアを用いて評価した。A病院で2009年4月~2013年3月に入院した61,949件のデータを用いた。転倒リスクを独立変数、各転倒防止ケア実施有無を従属変数とするロジスティック回帰分析から算出した傾向スコアを用いて、転倒防止ケアごとに実施群と未実施群の転倒リスクの同じ患者のマッチドサンプリングを行い、オッズ比を算出した。その結果、下剤・利尿剤の服用後の排泄介助が オッズ比0.4、効果を医師に報告し服薬内容を調整がオッズ比0.6 家族への説明と付添依頼がオッズ比0.6 夜間はより注意してラウンドがオッズ比0.6と転倒予防効果の高い対策が明らかになった。しかし、これらの対策の実施率は8.8%~38.6%と低かった。これらの対策の実施率を高めることで、転倒予防効果を高める可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 電子化した転倒リスク・アセスメント・ツールと連動した標準転倒予防対策2014

    • 著者名/発表者名
      飯島佐知子、森田恵美子、大木裕子、下久保亮太
    • 雑誌名

      Modan Physician

      巻: 34(10) ページ: 1149-1151

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 「転倒予防看護の専門性の明確化 -看護の力でどこまで転倒予防が可能か?」2014

    • 著者名/発表者名
      森田恵美子
    • 学会等名
      第34回看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2014-11-30 – 2014-11-30
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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