研究課題/領域番号 |
23593193
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
松山 友子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (30469978)
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研究分担者 |
穴沢 小百合 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (80469981)
吉満 祥子 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (40469979)
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キーワード | モデル教材 / 基礎看護技術 / 教育効果 / 学習プログラム |
研究概要 |
H24年度は「点滴静脈注射滴下可能モデル教材」(以下、モデル教材)の教育効果を明らかにするべく、以下の3点に取り組んだ。 1.文献検討・テキスト分析の結果報告:H23年度に実施した点滴静脈注射(以下、点滴)や寝衣交換を含む看護技術とその教育方法に関する文献検討の結果、および「和式寝衣の交換方法」に関する基礎看護技術のテキスト分析結果を第38回日本看護研究学会学術集会で発表した。 2.プレテストの実施・調査用紙の修正:H23年度に作成した点滴中の患者の寝衣交換に関する2つの評価枠組み(行動調査用紙・思考に関する面接調査用紙)に関するプレテストを学生15名に実施し、専門家会議での検討を踏まえ、調査用紙を修正した。行動調査用紙は、点滴に関する要素(点滴管理・点滴操作)と寝衣交換に関する要素(袖の脱着・身頃の脱着等)の9要素、49項目から構成され、「できた」「できない」で評価した。思考に関する面接調査用紙は、寝衣交換の実施過程にそって寝衣交換と点滴に関して思考したこと(考えたり、迷ったり、疑問に思ったこと等)について、半構造化面接を実施する要点を列挙した。回答は、「特になかった」「あった」を確認し、あった場合は具体的な内容を質問するようにした。 3.本調査の実施:研究協力への同意が得られた3施設、70名の学生(以下、研究協力者)を、同一施設内でモデル教材を装着した模擬患者に実施する群(使用群)とモデル教材を使用せず点滴が滴下していない模擬患者に実施する群(非使用群)に分け、和式寝衣の交換を実施してもらった。データ収集は、調査者が研究協力者の実施過程を観察し、行動調査用紙に沿って評価した。また、続いて同一調査者が研究協力者に面接調査用紙を提示しながら面接を実施した。 今後、以上の調査結果を総合的に分析し、モデル教材の教育効果の検証を踏まえて学習プログラムの構築に繋げる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的達成に向け、H24年度は「点滴静脈注射滴下可能モデル教材」の教育効果を評価するための調査を計画した。実際に、研究者の所属施設における研究倫理委員会の承認を経て、「行動調査用紙」と「思考に関する面接調査用紙」を使ったプレテストを実施し、本調査に向けて信頼性・妥当性のある調査用紙の検討および修正が実施できた。また、研究協力者70名を対象とする本調査がほぼ予定通り実施できたことより、おおむね順調に進展しているものと評価できる。結果の分析は今後の課題とする。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は最終年度となるため、本研究の目的を達成するために、以下の2点を計画している。 1つめは、H24年度の本調査で得た、行動目標に焦点を当てた結果と、思考に焦点を当てた結果のぞれぞれを分析するとともに、それらの結果を総合的に分析し、モデル教材の教育効果を評価することである。 2つめは、1つめの結果を踏まえ、モデル教材を活用した学習プログラムに必要な要点を検討するとともに、具体的な案を作成することである。学習プログラムの構築に向けては、研究者による定期的な会議を開催するとともに専門家会議を開催し、内容の検討を図る。 また、モデル教材の教育効果については、看護系学会に発表を予定する。さらに、モデル教材を活用した学習プログラム案については学会及び論文発表に向けたまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度の予算計画は約240万円とし、ほぼ予定通りの支出となった。しかし、H23年度の研究実施計画の延期に伴い「次年度使用額」が120万円あったため、H24年度末には60万円の「次年度使用額」が生じた。H25年度請求額(60万円)と合わせると、次年度研究費は120万円の予算となる。 H25年度は、調査結果の入力・分析、モデル教材を活用した学習プログラム構築に向けた専門家会議の開催、学会における発表、成果報告書の作成等に予算を分配する予定である。120万円の予算内訳は、物品費20万円(分析ソフト・ファイル整理等)、旅費30万円(学会参加、調査結果報告等)、人件費・謝金30万円(データ入力・資料整理)、その他40万円(テープ起こし、会議費等)とする。
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