研究課題/領域番号 |
23593205
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
畑 吉節未 神戸常盤大学, 保健科学部, 准教授 (10530305)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 災害看護 |
研究概要 |
【具体的内容】平成23年度は、計画に沿って次の2点について研究を実施した。(1)実践経験を持つ40名の看護者(看護管理者、外来・病棟看護者、被災地を支援するために派遣された看護者)の語りをもとに構築した災害看護実践行動のデータベースから得られたカテゴリーを用い、看護者の役割ごとに具体的な行動場面を設定した30の災害看護行動シナリオを作成した。(2)シナリオの構成要素として盛り込んだ災害看護行動のカテゴリーの難易度とキャリア発達の段階を調べ、災害看護ラダー・レベルを設定するために、郵送調査の質問紙を作成した。【意義】本研究は、先行研究である「災害看護コンピテンシーの抽出と構造化」の成果を生かし、看護者の災害看護実践能力の形成・強化を図るための教育プログラムの開発を目的としている。質の高い災害看護の提供を実現するには、看護者の能力に相応しい効果的な教育プログラムの開発、そのプログラムによる学習成果を評価する尺度の開発が欠かせない。看護基礎教育から現任教育で適応できる教育方法と評価尺度を開発し、看護師が災害時に的確に対応できる力を身につけさせることにある。【重要性】2009年度から看護基礎教育課程に災害看護が導入されたものの、教育すべき具体的な基礎能力は明確にされていない。災害の多様性・個別性に的確に対応する基礎的能力を養うことが喫緊の課題である。災害は非日常的な出来事であり、実際の災害の中で看護者を動機づけ、理解を深めることが困難である。災害現場で高い実践能力を発揮した看護師の看護実践、困難な状況や直面した課題等の経験から災害看護コンピテンシーを同定しプログラム開発の中に生かすことが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って研究を実施し、郵送調査のための質問紙調査の準備まで進めることができた。24年度は調査を実施し、災害看護ラダー・レベルの設定を行う予定。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度(1)質問紙調査の実施と分析。(2)災害看護ラダー・レベルの設定。(3)23年度に作成した災害看護行動シナリオの精選。(3)研究成果発信の一環として8月ロンドンで開催される第2回世界災害看護学会にて発表予定。平成25年度(1)災害看護コンピテンシー尺度の作成。(2)災害看護プログラムの試行。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)質問紙調査を実施するために要する郵送費5万円。(2)質問紙調査によって得られたデータをもとに、ラダー・レベルの設定、シナリオの精選を行う専門家委員会を開催し助言を得るための郵送費、旅費等15万円。(3)第2回世界災害看護学会で発表するための研究代表者と通訳者を含めた2名分の旅費・宿泊費等60万円。
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