研究課題/領域番号 |
23593206
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
井上 清美 神戸常盤大学, 保健科学部, 准教授 (20511934)
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研究分担者 |
野村 美千江 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (50218369)
川島 美保 高知大学, 医歯学系, 講師 (90380328)
高田 和子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, その他部局等, 研究員 (80202951)
森谷 満 北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50550357)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | コーチング学習 / コミュニケーション能力 / 看護学生 / 評価方法 |
研究概要 |
本研究は,看護基礎教育課程学生を対象にして、対人関係スキルであるコミュニケーション能力を高めるため、コーチング技法の有効性に着目したものであり、コーチング技法を習得し実践できる共同研究者らが、看護学生に特化したコーチングを活用した標準的学習プログラムの作成とその学習効果を測定する方法を、探索的に見つけ出していくことを目的としている。 平成23年度の研究では、本研究の1年目にあたり、看護学生のコーチング学習効果と基本的なコーチング技法を活用した学習プログラムに焦点を当て、看護学生用の学習プログラムに必要な内容を研究会議で抽出した。パイロットスタディの検討から、学習プログラムの修正のポイントや、看護学生に必要なコミュニケーション能力を測定するための独自の評価指標作成の必要性を認識した。パイロットスタディの学習効果の把握方法の一つとして実施したFGI結果が、本研究の目的に即していたこと、コーチング学習を行った学生が自己の実感として、自分を認めることで自己理解を深め、自己肯定感から自己基盤を作り、その後、他者理解へ成長、看護者としての対人関係能力を身につけていくという学習プロセスが示唆される結果を得た。FGI結果で得た成果において,特にコーチング学習者の「自己肯定感が深まった」点については,この研究の趣旨を反映していると考えられる。 本研究を継続して行い、修正学習プログラムと評価方法の検討実施への方向性が明確になったことから、1年目の研究成果は達成したと考える。 2年目には、コミュニケーション能力向上を意図した修正コーチング学習プログラムを作成し、その有用性や限界を検討すること、3年目には、前年度の検証結果を加味して、作成した学習プログラムを広く活用してもらうための教材を作成し、公表する予定で研究を進めていくことが明確になった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記研究の概要に記載したとおり、平成23年度研究は、本研究の1年目にあたり、看護学生のコミュニケーション能力の向上とコーチング技法の学習プログラムに焦点を当てて、学習プログラムに必要な内容を研究会議で抽出した。すでに着手していたパイロットスタディの分析と本年度得られた結果の検討を通じ、修正学習プログラムの内容の軸は、検討できた。また、評価方法として既存の評価指標では、測定に制約や限界があることや、独自の評価指標作成の必要性を認識した。(本年度学会発表を予定している) 2年目には、看護学生に身につけさせたいコミュニケーション能力の検討のためのFGIを実施し、その分析結果を評価指標原案の作成に役立てること、パイロットスタディで使用した学習プログラムの改善の視点が抽出できたので、修正学習プログラムを作成し、その有用性や限界を検討したい。(修正学習プログラムの作成と本調査) 3年目には、前年度の検証結果を加味して、作成した学習プログラムを広く活用してもらうための教材を作成し、公表する。(学習プログラムの完成・教材化)上記のとおり、現在のところ、研究申請書に記した研究計画がおおむね順調に進行している
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今後の研究の推進方策 |
研究期間平成23年度~平成25年度のうち,平成24年度の計画については,以下の4点である。1)身につけさせたい看護学生のコミュニケーション能力に特化した評価方法の開発にむけて、評価指標原案(質問紙の形式を予定)を作成するプロセスとして、4種類のFGI調査を導入する。2)看護学生へのコーチング学習プログラムを検討する(修正学習プログラムの作成):平成23年度の成果を活かしながら、看護基礎教育に即した内容の修正学習プログラムを作成する。3)修正学習プログラムによるコーチング学習とその効果測定(本調査):当初の予定では本調査を平成24年度としている。研究協力者の追加や研究倫理審査の追加などに要する期間や、得られた結果の分析検討に時間が必要なため、修正学習プログラムを使用した本調査の実施は、平成24年度後半を予定している。4)3)の結果から看護学生のコミュニケーション能力を高めることつながる学習プログラムとその効果的な活用及び評価方法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.評価指標原案(質問紙の形式を予定)を作成するプロセスとして、4種類のFGI調査を導入するための費用、データ入力にかかる雇用者賃金などに使用する予定である。2.コーチング学習プログラム作成に必要な消耗品を購入する予定である。3.活用可能な資源(人的資源を含む)と教育方法の検討のための専門家を加えた研究会議の開催費用として、助言者への謝金、旅費、会場費に使用する予定である。また、共同研究者が専門的知識を得るための研修会の参加費、旅費に使用する予定である。4.研究課題に関する必要な文献を購入する予定である。5.成果発表のための学会参加費および旅費に使用する予定である。
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