研究課題/領域番号 |
23593206
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
井上 清美 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (20511934)
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研究分担者 |
野村 美千江 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (50218369)
川島 美保 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (90380328)
高田 和子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, その他部局等, その他 (80202951)
森谷 満 北海道医療大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50550357)
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キーワード | コミュニケーション / コーチング / 看護学生 |
研究概要 |
本研究は,看護基礎教育課程学生を対象にして、対人関係スキルであるコミュニケーション能力を高めるため、コーチング技法の有効性に着目したものであり、コーチング技法を習得し実践できる共同研究者らが、看護学生に特化したコーチングスキルを活用した標準的学習プログラムの作成とその学習効果を測定する方法を、探索的に見つけ出していくことを目的とした。 看護学生のコーチング学習効果と基本的なコーチング技法を活用した学習プログラム作りに焦点を当て、看護学生用の学習プログラムに必要な内容を先行研究や文献などで検討し研究会議で内容を抽出した。看護学生用の既存の学習プログラムが存在しなかったので、コーチングスキルに熟達した研究者らで検討を重ね、1回90分、6回コースのコーチング学習プログラムを作成した。作成した学習プログラムによるコーチング学習実践を行い、学習の成果を行動特性検査を用いて確認した。その結果、学習プログラムの修正のポイントや、看護学生に必要なコミュニケーション能力を測定するための独自の評価指標作成の必要性を認識した。また、学習効果の把握方法の一つとして実施したFGI結果においては、本研究の目的であるコミュニケーション能力の向上、コーチング学習を行った学生が自己の実感として、自分を認めることで自己理解を深め、自己肯定感から自己基盤を作り、その後、他者理解へ成長、看護者としての対人関係能力を身につけていくという学習プロセスが示唆される結果を得た。 現在は、修正学習プログラムと評価方法の検討実施への方向性から、コミュニケーション能力向上を意図した修正コーチング学習プログラムと簡易な評価指標の作成について、研究成果を公表し、その有用性や限界を検討すること、次に行う検証結果を加味して、作成した学習プログラムを広く活用してもらうための教材を作成し、公表する予定で研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記研究の概要に記載したとおり、25年度は、看護学生に必要なコミュニケーション能力の吟味とコーチング技法に特化した学習プログラムの修正版の作成に焦点を当てて、必要な内容を研究会議等で抽出した。得られた結果の検討を通じ、学習プログラムの内容について検討した。また、評価方法として、看護学生に身につけさせたいコミュニケーション能力の検討のためのFGIを実施し、その分析結果を評価指標原案の作成に役立てた。学習プログラムの改善の視点が抽出できたので、こられの検証結果を加味して、作成した学習プログラムを広く活用してもらうための教材を作成し、公表する。 26年度までの延長をお願いできたので、研究申請書に記した研究目的(教材化を含む)は、本調査の実施、学習効果の確認を得ることで、おおむね順調に達成できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に、本調査行い、その結果を基に、学習プログラム完成版の教材化を行い、海外における成果発表を行う予定であったが、本調査について、研究代表者の所属機関の調査対象者に関するカリキュラムの変更があり、調査介入時期の設定を先にずらさざるを得ない状況となった。そこで、調査計画を変更し、26年度まで研究期間を延長し、研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に、本調査行い、その結果を基に、海外における成果発表を行う予定であったが、本調査について、研究代表者の所属機関の調査対象者に関するカリキュラムの変更があり、調査介入時期の設定を先にずらさざるを得ない状況となった。そこで、調査計画を変更し、26年度に、本調査、海外での発表を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。 本調査及び本調査の分析並びに海外での研究成果発表第7回国際保健医療行動科学会議(ロンドン)にて研究成果の発表を行う。教材のための研究会議を開催する。
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