研究課題/領域番号 |
23593214
|
研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
|
研究分担者 |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80156463)
山路 奈保子 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40588703)
石橋 通江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30369087)
松尾 和枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (90389502)
上村 朋子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (30352347)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | コミュニケーション / 臨床コミュニケーション / 実務的・専門的コミュニケーション / 大衆文化作品 |
研究概要 |
本研究は、医療現場を描いたテレビドラマやストーリーマンガなどの大衆文化作品を含む様々な素材を用いて、看護学専攻者のコミュニケーション技能の基盤となる観察力の向上を促し、コミュニケーション技能を自己鍛錬していく基礎的知識を培うと共に、看護学上の一般課題の認識へと導く教材と教授法を開発することを目的としている。 本年度は、以下のことを行った。(1)看護学専攻者に必要なコミュニケーション能力の再検討:臨床コミュニケーション(患者やその家族とのコミュニケーション、および、協働する看護職および他の医療専門家とのコミュニケーション)と、専門家・実務家としてのより広い範囲での受信発信技能の両者に対する訓練を並行して行うべきことを確認した。(2)教材化する作品の選定とそれを用いた教育活動の考案:医療現場を舞台とするストーリーマンガを用いた教材を用いる学習活動の方法と、テレビドラマ(ER、アメリカ)を用いた学習活動とを考案した。(3)授業実践と分析:ストーリーマンガを用いた教材に対する母語話者の反応を日本語学習者のそれと対比させて分析し、母語話者の問題を特定した。結果を、学会発表、研究論文として発表した。(4)教材の試作:文化的に異なる人々とも実務的コミュニケーションを取ることができる能力を涵養するために、以前に作成した教材の相補的な役割を担う『国際医療人のコミュニケーション応用編 ジェンダーの視点から見る世界』(本編53ページ、エクササイズ56ページ)を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
想定していた、教材の素材の選択と学習活動方法の考案を行うことができ、また、試用によって、日本語母語話者の持つ問題を認識し、その結果をもとに学会発表と論文投稿(掲載予定。印刷中)をも行うことができた。さらに、以前に作成した教材と相補的な役割を持つ『国際医療人のコミュニケーション応用編 ジェンダーの視点から見る世界』(本編53ページ、エクササイズ56ページ)を作成することができた。したがって、計画のボトムラインは達成されたと考える。教材化することができた作品の数がまだ少ないため、今後も継続して素材選択と教材化を行うことが必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
1.教材化する大衆文化作品の選定と教材化(教育活動の考案)を継続する。2.作成した教材の試用を、代表研究者の所属大学で継続するとともに、所属大学を管轄する「赤十字学園」に所属する別の大学など、他の教育現場で試用して、結果を分析し、教師用手引きや教材の作成に反映させる。3.上の活動から得られた知見を学会発表および論文投稿によって公表する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
1.教材化の候補作品の購入2.他の教育機関などでの試用に伴う交通費など。3.教材試作のための費用
|