研究課題/領域番号 |
23593214
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研究機関 | 日本赤十字九州国際看護大学 |
研究代表者 |
因 京子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60217239)
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研究分担者 |
松村 瑞子 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (80156463)
山路 奈保子 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40588703)
石橋 通江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30369087)
松尾 和枝 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (90389502)
上村 朋子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (30352347)
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キーワード | ストーリーマンガ / 専門家間コミュニケーション / ベッドサイドコミュニケーション / 学習技能 / 発話分析 / 文化技能 |
研究概要 |
教材『看護コミュニケーションシリーズ1 よりよい日常をつくる看護』(本冊とタスク集の2冊組)を、研究代表者と、語学専攻の共同研究者および看護学専攻の研究者計6名との共著として発刊した。昨年作成した『大衆文化で学ぶ看護コミュニケーション』では、ベッドサイドでの主に患者と看護師との会話を分析し、様々に異なる状況でのポライトで効果的な発話のあり方を探求する作業が中心となったのに対し、今回作成した前掲書では、ストーリーマンガが描いている問題を含む状況を総合的に捉えて過不足なく伝える作業と、その状況に対する自分の判断や提案を述べる作業を中心とした。取り上げた問題は、死を受け入れられないでいる患者へのターミナルケアのあり方、大人びており子供っぽいことは嫌うが本当に大人ではない長期入院児への対応のあり方、偏りのある専門的情報を豊富に持っている患者家族への対応である。 この教材は、臨床の場や研究の場での専門家(看護師、他の医療専門家など)とのコミュニケーション技能の育成を目標としており、昨年作成した教材と本教材とが相補的に機能して、看護師に求められる多様なコミュニケーション技能の涵養に資すと言える。また、看護の場がますます国際化していくことが予測されるため、本教材には同じことを文化的背景の異なる看護師に対して説明や主張を行う文言を考える作業をを組み込み、「文化能力」の涵養に配慮した。発展課題として英語による発信タスクも提供した。看護学部の高学年および大学院生、あるいは、現職者に対しても用いることのできる内容となっている。また、他者との関わりから学ぶ学習を促すタスクを提供し、学習技能の多様化を図った。 昨年の教材と本教材とで、看護の場で要求されるコミュニケーションの多様性と個々の課題の共通性と個別性の認識とを促すことができ、初年時の学生から臨床経験を持つ看護師まで用いることができる。
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