本研究の目的は,がん患者の配偶者が受けるソーシャル・サポートと精神的健康の関連を明らかにし,概念モデルを構築することである.今年度は研究計画に沿って,以下の内容を実施した. 1.患者の家族用ソーシャルサポート尺度及び患者の家族用対人ストレス尺度案の作成:昨年度に実施した,「患者の家族用ソーシャルサポート尺度」及び「患者の家族用対人ストレス尺度」の原案の予備調査の分析を行った.61名からの回答があり,ワーディングの検討,項目分析等を実施し,ソーシャルサポート尺度案(59項目),対人ストレス尺度案(59項目)を作成した. 2.患者の家族のソーシャルサポートおよび対人ストレスと精神的健康の関連の検討:がん患者および非がん患者で慢性疾患を持つ患者の配偶者または配偶者以外の家族に対して,上記2つの尺度とPOMSの抑うつ,GHQ28を用いた調査を実施した.今後は,調査結果の分析を実施し,ソーシャルサポートおよび対人ストレスと精神的健康の関連を明らかにするとともに,がん患者の配偶者と配偶者以外の家族,非がん患者の家族におけるそれらの違いについても明らかにし,必要な看護について検討を行う予定である.
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