研究課題/領域番号 |
23593222
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (90401356)
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研究分担者 |
井上 智子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20151615)
川本 祐子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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キーワード | 救急医療 / 多職種連携 |
研究概要 |
平成24年度は、前年度の基礎調査結果をもとに作成した調査票を用いて、全国調査を実施した。対象は、全国の初期・二次救急医療施設より500施設(各都道府県で同数)を無作為抽出し、1施設あたり医師、看護師それぞれ1名に回答を依頼した。 回答は、医師85件(回答率17.0%)、看護師95件(19.0%)であった。 医師の年齢は50~59歳44.7%、40~49歳28.2%、30~39歳16.5%、60歳以上9.4%、27~29歳1.2%であった。性別は男性88.2%、女性5.9%であった。雇用形態は正規雇用96.5%、その他2.4%。救急の指導医・専門医・認定医は17.6%であった。救急隊からの患者受け入れ要請を決定するのは、医師69.4%、医師または看護師21.2%、看護師4.7%、研修医1.2%、事務職員1.2%であった。救急外来で主にトリアージを行うのは、医師44.7%、看護師31.8%、医師または看護師17.6%であった。看護師がトリアージを行うことを支持する医師は45.9%であった。看護師がトリアージを行う場合の要件は、救急領域での一定の経験80%、一定の講習研修を修了57.6%、リーダー業務ができる25.9%の順であった。 看護師の年齢は40~49歳40%、50~59歳36.8%、30~39歳17.9%、60歳以上3.2%、25~29歳2.1%であった。性別は男性12.6%、女性87.4%であった。救急外来専従の看護師は15.8%、兼任だが救急外来が主は13.7%、専従ではない70.5%であった。トリアージナースになるための要件が「ある」は17.9%であった。リスクマネジメントとしては、「繁忙時他部署からの応援体制整備」、「他部署との連携話し合い」、「施設内研修の充実」、「後輩看護師の指導教育」、「他職種間の話し合い」などが述べられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、全国調査を実施し、集計も完了した。現在さらに詳細な分析を試みている。 回収率が低かったが、これは救急医療の現場で働く人々の繁忙さゆえのことと受け止めている。なお、回答者からは、現状の厳しさや改善を求める多くの意見が述べられており、今後の初期・二次救急医療のあり方を考えるうえで貴重な資料になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる25年度は、関連学会等で結果の公表を行うとともに、結果より得られた知見をもとに、初期・二次救急医療において、多施設で応用できることを積極的に臨床に向けて発信していきたいと考えている。また、行政等にも積極的に結果公表し、救急医療の向上に寄与できるよう努力したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
①データの詳細な分析、公表のための資料作成等に対する人件費 ②成果発表のための学会参加費および旅費
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