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2011 年度 実施状況報告書

糖尿病腎症患者の療養行動継続のための療養条件

研究課題

研究課題/領域番号 23593224
研究機関金沢大学

研究代表者

松井 希代子  金沢大学, 保健学系, 助教 (90283118)

研究分担者 稲垣 美智子  金沢大学, 保健学系, 教授 (40115209)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード2型糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 尺度 / 合併症 / クオリティオブライフ
研究概要

本年度は、先行研究による質的研究から得られた結果を基に2型糖尿病性腎不全患者の「遅ればせながらできるだけ頑張ったと納得する」療養認識の構成概念を肯定感尺度として作成し、また、肯定感が高いほどQOLが良好であることを明らかにすることに取り組んだ。 その結果、2型糖尿病性腎不全患者70名に面接式質問紙調査から、療養認識の構成概念12項目の質問の回答を因子分析で構成概念を確認し、内的整合性と併存妥当性の検討を行い、尺度を作成できた。3項目のCronbach’s α係数は、α=0.70であり、信頼性は確保された。また、この尺度は、自己効力感に正の相関関係がみられ併存妥当性が確認された。糖尿病性腎症患者の肯定感尺度項目は、「糖尿病療養を行なってきた中で自分のできることはできるだけ頑張って行った」、「自分の努力で透析に入るのは思ったよりも遅くなった」、「糖尿病性腎症で制限した生活をしてきたので透析生活のほうが楽に思える」の3項目である。肯定感尺度とQOLについては、KDQOL-SF™1.3尺度において社会生活、心の健康、全体的健康感、腎疾患による負担、睡眠において有意な正の相関関係があった。「遅ればせながらできるだけ頑張ったと納得する」療養認識を持てることが透析に至ってもQOLが良好であった。これは、糖尿病性腎不全患者はこれまで、透析に至った場合には否定的にとらえることが報告されており、療養にどのような意味づけをすることにより患者が前向きにとらえ取り組むことができるのかを明らかにしたものは皆無であった。「遅ればせながらできるだけ頑張ったと納得する」という肯定的な認識があることの証明とそれを糖尿病腎不全患者の肯定感尺度を作成し、この尺度得点が高いとQOLも良いことと、腎症としての療養期間が長いことを明らかにできたことは今後の糖尿病性腎症患者の療養継続に意義のあることである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

糖尿病性腎不全患者における肯定感尺度を作成でき,その成果を論文発表できた。しかしパターン分類し、特徴を見出すまでの対象数が取れなかったため。

今後の研究の推進方策

今後、継続して調査を行い、対象者を増やし、パターン分類を行う。また、分析を進め、影響する療養条件を明らかにする。さらに、糖尿病性腎症患者の意識と現在の療養状況を調査する予定である。研究データ処理補助者の確保により推進されると考えている。

次年度の研究費の使用計画

データ処理補助者が見つからなかったため、データ処理補助用コンピューターと統計ソフトの購入が今年度は必要がなかった。また、学会発表せず、論文投稿となったため学会参加旅費は必要なかった。次年度は、データ処理補助者の確保ができたため、コンピューターと統計ソフトを購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Positivity scale for type-2 diabetes patients with renal failure2011

    • 著者名/発表者名
      松井希代子
    • 雑誌名

      Journal of the Tsuruma Health Science Society, Kanazawa University

      巻: 35 ページ: 29-39

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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