研究課題/領域番号 |
23593229
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
福録 恵子 三重大学, 医学部, 准教授 (90363994)
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研究分担者 |
清水 安子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50252705)
瀬戸 奈津子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512069)
今井 奈妙 三重大学, 医学部, 教授 (90331743)
大原 千園 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90376202)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 運動器不安定症 / 高齢者 / 運動プログラム開発 / 看護支援 / 歩行動作解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、運動器不安定症高齢者の転倒・骨折リスクの軽減、要介護への移行防止である。現在開発中の在宅バランストレーニング継続支援プログラムに関する汎用版の開発と実用化の検討、完成版の全国規模での運用、普及を目標とした。「第1段階」では汎用版開発と実用化、「第2段階」で完成版の大規模運用と最終評価を行う予定であったが、「第1段階」実施による課題修正、評価までとなり、全国規模での運用には至らなかった。 1.第1段階では6ヶ月間のプログラム介入を実施した。トレーニング継続者(週5日以上)の割合は、介入群のうち68%、コントロール群のうち53%であった。開眼片足立ち時間、5m速歩時間は介入群で有意な改善を認めた。歩行解析項目は、両群とも変化量に有意差を認めなかったが、介入群は「一歩行周期」「つまさきのあがり」の変化量改善割合が50%以上とコントロール群より高かった。ADL状況は、介入群で「階段くだり」「階段のぼり」「登り坂歩行」の順に改善の自覚割合が高く、看護師の定期的なADL改善状況の振り返りが、対象者の自覚を忠実にとらえることが示唆された。さらに効果的な解析結果のフィードバック方法が検討課題となった。 2.第2段階の実施に向け、①動作解析の撮影方法変更②測定結果説明の期間短縮③結果説明時の集団トレーニングフォロー実施を新たに取り入れ、同期間の介入を実施した。トレーニング継続者は、歩行解析項目のうち「つまさきのあがり」「かかとのあがり」で有意な改善を認め、重心動揺において、開眼外周面積、開眼単位軌跡長で有意な改善を認めた。また介入後の歩行速度は、介入前と比べ、およびトレーニング頻度が週5日未満の者に比べ有意に改善を認めた。頻度に関わらず転倒は生じたが骨折には至らなかった。以上より、本プログラムは継続によって要介護への移行防止が期待でき、今後さらなる規模を拡大し、検証と実用化を進めたい。
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