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2011 年度 実施状況報告書

慢性心不全患者の退院早期の在宅療養支援プログラムの開発とその有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23593230
研究機関神戸大学

研究代表者

宮脇 郁子  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)

研究分担者 多留 ちえみ  神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (90514050)
齊藤 奈緒  神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20403298)
服部 容子  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (20337116)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード慢性心不全 / 在宅療養支援 / 再入院予防 / ランダム化試験
研究概要

慢性心不全患者における療養支援の目標は、再入院予防、ならびに患者の生活の質向上のために、心不全増悪要因となる水分管理・塩分制限・適切な運動と休息・薬物療法・適切な受診行動を患者個々の日常生活のなかに組み入れ、効果的に実行および継続できるように支援することである。今日どのような時期にどのような教育的支援が必要であるかを検討することが急務であるとも指摘されているが、これまで再入院を繰り返す患者の療養行動の特徴を考慮した支援は検討されていない。そこで本研究では、慢性心不全患者の再入院予防を目標に、先行研究で明らかにした再入院を繰り返す慢性心不全患者の療養行動の特徴と慢性心不全患者のセルフモニタリングに焦点をあてた、退院早期(退院1週間前後)の訪問看護による在宅療養支援プログラムを開発し、65歳以上の入院中の慢性心不全患者を対象に、ランダム化試験により、従来の外来支援群を対照群とし、退院早期(退院1週間前後)の在宅療養支援プログラムを用いた支援群の2群に分け、退院早期の在宅療養支援の有効性を検証することを目的としている。 23年度は、慢性心不全患者の退院早期における在宅療養支援プログラムの開発にむけて、以下についての検討を行った。1)療養経験(行動)を把握するための面接プロトコール:再入院を繰り返す慢性心不全患者の療養行動の特徴から、療養行動を把握するための面接プロトコールを作成した。2)セルフモニタリングアセスメントツール:服部らが検討した心不全セルフモニタリングの概念に基づいて作成した。3)療養行動支援(選択肢)ツール:水分・塩分制限・活動休息などに関する具体的な療養行動の選択肢について、関連文献などから作成した。また、プログラム開発に用いるアセスメントツールの一部については、学会での専門家によるレビューを受けながら内容の精選を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度は、上記の成果に加えて、4)在宅支援アセスメントツール:外来看護、訪問看護、介護などの連携においてのアセスメントの視点をアセスメントするための項目を収集、整理する計画であったが、医療機関および訪問看護ステーションでのフィールドワークの調整が遅れ、24年度に継続した調査・検討がずれ込んむ予定である。在宅支援におけるアセスメントの事項は、本プログラムの重要な部分であり、専門家によるレビューを受けながら慎重かつ迅速に計画を実行する計画である。

今後の研究の推進方策

24年度の研究推進の方策 1)慢性心不全患者の退院早期における在宅療養支援プログラムを開発し試行する。以下の4つの内容((1)療養経験(行動)を把握するための面接プロトコール、(2)セルフモニタリングアセスメントツール、3)療養行動支援(選択肢)ツール、(4)在宅支援アセスメントツール)を統合し作成する。なお、心不全患者の身体活動の実際をモニタリングする観点から、ホルター心電図による身体活動の把握を行う。プロトコール案は専門家によるレビューを受けながら内容を精選する。上記の手続きで作成した在宅療養支援プログラムを用いた Randomized Controlled Trialの実施による有効性の検討を行う(24年10月~25年12月)<介入研究(RCT)のフローチャート>1)対象:兵庫県下の循環器専門外来をもつ特定機能病院、総合病院の3施設において入院中の65歳以上の慢性心不全患者から対象を募集し、研究参加への同意が得られた患者を対象者とする。(対照群、支援群、各50名以上)。2)研究デザイン:3施設での非盲検ランダム化試験。対象の割付は、性別、慢性心不全の進展ステージ、左室駆出率、同居家族の有無を層とした最小化法に拠る。3)介入(療養支援):研究対象者は、在宅療養支援プログラムを用いた支援(以下、支援A)群か、従来の外来看護師よる療養支援(以下、支援B)群のいずれかにランダムに割り付ける。4)経過観察期間はベースライン時点から1年後まで再入院回数(率)、受診頻度、再入院の理由に基づき評価する。効果の検証は、ベースライン時点から3ヶ月後および1年後までの群間比較をSPSS(既に所有)を用いて検討する。なお、RCTについては、この領域の専門的知識の提供、および国内外の循環器関連の学会にて途中経過の成果の発表、レビューを受け内容を精錬させる。

次年度の研究費の使用計画

1)プロトコールの作成および介入試験に関するデータ整理のため、研究補助を雇用する(謝金)。2)慢性心不全患者の身体活動を把握し分析するための物品として、ホルター心電図解析ソフトウエア(カルディアナライザー03 Type-S 01)を購入する。3)プロトコールなど研究成果の発表のために国内の旅費、および論文投稿費が必要となる。4)調査に関わる消耗品として、用紙およびパソコン関連の消耗品が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 心不全患者の在宅療養支援における看看連携の重要性

    • 著者名/発表者名
      多留ちえみ
    • 学会等名
      第76回日本循環器学会  コメディカル・シンポジウム「高齢心不全患者の在宅支援」(招待講演)
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      平成24年3月18日
  • [学会発表] その人らしい療養生活が継続できるための支援

    • 著者名/発表者名
      多留ちえみ
    • 学会等名
      第15回日本心不全学会学術集会 コメディカル・パネルディスカッション「多職種参加による全人的治療」(招待講演)
    • 発表場所
      かごしま県民交流センター
    • 年月日
      平成23年10月14日

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公開日: 2013-07-10  

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