研究課題/領域番号 |
23593234
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
国府 浩子 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70279355)
|
研究分担者 |
村上 美華 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (90321950)
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90382431)
|
キーワード | がん看護 / 再発乳がん / 意思決定 / 看護モデル / 治療選択 / プロセス |
研究概要 |
本研究の目的は、「再発乳がん患者の意思決定プロセスを支える実践的な看護援助モデル」を開発することである。研究2年目である本年度は、看護師への面接調査を行い、看護実践の状況を明らかにした。 看護師の再発乳がん患者の意思決定支援内容と困難:乳がん看護に携わる看護師に再発乳がん患者に対して実施している意思決定上のサポート内容、患者や家族の意思決定をサポートするうえでの課題や困難、期待する意思決定サポートシステムについて面接調査を行った。看護師は、再発乳がん患者を「多くの苦痛を感じているが、その反面強さを感じる」ととらえているが、ここまで頑張ってきた患者を思うと「再発患者との関わりは構えてしまう」自分に苦痛を感じていた。サポートしなければと思うが「患者の話を聞くための環境が整っていない」「家族に関わる手だてがない」とサポートに必要な患者の状態を把握できず、「乳がんは先がみえづらい」ため「早めに準備しておこうとする看護師と患者の間にギャップがあり」さらに「患者と家族のギャップ」も重なり、「サポートのタイミングがわからない」でいた。看護師は「再発乳がん患者との関わりが不十分である」と思い、「患者は一人ひとり違うから自分の関わりがいいのかわからない」と看護への自信が持てずにいることに困難を感じていた。意思決定支援内容については、再発初期で治療選択肢が多い段階、治療効果が出にくくなり治療変更の段階、治療選択肢がなくなってくる段階、緩和医療への移行の段階で支援が異なるため、段階別に現在分析をすすめている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
看護師の意思決定支援状況を明らかにする前に、患者がどのような意思決定を行っているのか明らかにする当初計画になかったヒアリングを行ったため、実施計画に比べ遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画がやや遅れ気味であるため、熟練看護師に対する調査の面接担当者を増やし、同時に調査をすすめる。また、テープ起こしや質問紙配布・分析については、研究協力者とアルバイトの雇用で分担し、研究遂行に支障が出ないように修正する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
「一般看護師の意思支援実践状況と困難さの調査」を行い、看護師がとらえる困難さを明らかにする。また、「熟練看護師の意思決定支援に関する調査」を行い、知識面・技術面での卓越した事柄を導き出す。意思決定支援促進要因・阻害要因を考慮した「再発治療を受ける乳がん患者の意思決定支援モデル」を作成する。
|