研究課題/領域番号 |
23593235
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 教授 (70315323)
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研究分担者 |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
東 清巳 熊本大学, 大学院生命科学研究部看護学講座, 教授 (90295113)
植田 喜久子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (40253067)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ギアチェンジ / インフォームド・コンセント / 終末期 |
研究概要 |
本研究では、質的帰納的研究デザインを用いて、化学療法を繰り返し受けているがん患者とその家族、その治療や看護に携わっている医師、看護師を対象に、それぞれがギアチェンジを伝えるということやそのタイミング、伝え方についてどのような認識を持ち、ギアチェンジがどのように伝えられ、どのような意思決定への支援が行われているのかを明らかにすることを目的とし、5月~6月倫理審査に向けて研究計画の最終練り直しを行い、7月に大分大学医学部倫理審査委員会の審査を受け、承認を受けた。その後、研究依頼施設および紹介された研究対象者への研究協力の了解を得て、8月よりデータ収集を開始した。医師(5名:腫瘍内科医3名、消化器外科医1名、産婦人科医1名)、患者4名、看護師1名への半構成的面接を行った。面接内容を逐語録にし、データの特徴から分析方法の検討を行った。分析方法の検討の段階で、本研究目的の達成のためには、研究対象の患者の範囲を広げる必要が生じ、3月に再度倫理審査を受け、承認された。医師のデータの分析では、医師が概ね、患者個々のがんの病態や治療ガイドラインに沿って、stageII、IIIの段階から終末期の治療についての初期情報の提供を行い、患者のギアチェンジへの準備が高まるような働きかけを行っていることが明らかになってきた。それに対して、患者は、医師から終末期に関連するような情報提供は受けていても、先のことを考えるより、今の治療に向き合っている現状が明らかになった。看護師に関しては、現状では、医師のアプローチを踏まえた意図的な支援が明らかにできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は、最終的な研究計画の検討を行い、研究施設への打診や倫理審査を受け、1施設でデータ収集し、分析を行う予定であり、実施概要にあるように、医師、患者についてのデータ収集の段階は、おおむね順調に進展している。分析に関しては、医師の場合、具体的なカテゴリー化までは抽出されていないが、データから概ねその傾向が見えて来ている。患者の場合は、医師の説明に対応して、どのように認識しているのかは、明らかにされてきたが、実際のギアチェンジの部分のデータが取れていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたデータを分析していく段階で、医師、患者、看護師の三者の関係性を踏まえた同時進行のデータ収集は、難しいと判断された。医師に関しては、得られたデータの分析から、ギアチェンジに向けて医師が行っているインフォームド・コンセントの傾向が概ね明らかにできると考えられるため、医師の場合は、がん治療の特徴を踏まえた医師の診療科を広げてデータ収集を広げていく。現時点では、特に対象とする患者をギアチェンジを決定した者や現時点で2ndあるいは3rdの治療を受けている患者を実際のギアチェンジまで経過を追って、データ収集を行う必要が生じてきた。看護師に関しては、できるだけ、意図的に看護実践を行っている看護師として、専門看護師などを視野に入れてデータ収集を広げていく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の患者の範囲を広げてデータ収集を行っていくが、研究費としては計画の通りに配分で、計画を遂行できると考えられる。
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