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2011 年度 実施状況報告書

直腸がん手術患者の排便状態アセスメントシートの作成と排便障害改善の看護介入

研究課題

研究課題/領域番号 23593239
研究機関青森県立保健大学

研究代表者

藤田 あけみ  青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (30347182)

研究分担者 工藤 せい子  弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80186410)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード直腸がん / ISR / LAR / 排便障害 / セルフケア
研究概要

本研究の目的は、直腸がん肛門温存手術後の術式別(ISR:intersphincteric resection 、LAR:low anterior resection )の排便障害状況・セルフケア状況の実態を明らかにし、排便状態を評価するアセスメントシートを作成すること。排便障害対策として看護介入を検討し提案することである。平成23年度は、直腸がん肛門温存手術後のISR、LARの排便障害状況、セルフケア状況の実態を明らかにし、アセスメントシートと看護介入を検討することを目的としている。 対象者は直腸がんのためISR、LARを施行後5年以内であり、研究の趣旨に同意し調査の協力が得られた外来受診患者とした。方法は、半構造化面接で、排便障害の実態、セルフケア状況などについて収集した。分析は、排便障害とセルフケアの実態については、質的分析を行った。さらに、抽出された排便障害の項目ごとにデータを見直し、ISR、LARの術式別にχ2検定で比較した。セルフケアは、具体的セルフケア内容については術式別に量的比較を行い、セルフケア数についてはχ2検定で比較した。 結果、対象者は88名(62.2±9.3歳)、ISRが33名、LARが55名であった。排便障害は、[排便回数が多い][排便回数が定まらない][薬の内服で排便がある][夜間の排便が多い][便失禁][肛門部痛]などの7つにまとめられ、[排便回数が定まらない][夜間の排便が多い][便失禁]はISRの割合が有意に高かった。排便障害に対するセルフケアは、[肛門部を洗浄する][オムツやパットをあてる][食事量をコントロールする][排便をコントロールする]などの11にまとめられた。看護介入として、排便のコントロール、肛門部の局所ケア、食事の内容や摂取方法をチェックリストで詳細に把握することが必要であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は、直腸がん肛門温存手術後の術式別(ISR、LAR)の排便障害状況、セルフケア状況の実態を明らかにし、アセスメントシートと看護介入を検討することを目的としている。当初の計画では対象者を50名としていたが、データ収集を進めるうちに、ISRの排便障害が高いこと、ISRもLARも術後2年以内の排便障害が高いことから、ISRの対象者数を出来るだけ収集し、術後2年以上のLARの対象者もできるだけ収集したことから、88名を収集することができた。さらに、分析も88名について行い、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、平成23年度に作成した排便状態アセスメントシートを同意が得られた外来受診患者50名に実施し、統計的分析を行いアセスメントシートとして完成させる。また、排便障害対策として看護で解決可能な看護介入を検討することを目的としている。 今年8月までに、現在実施している排便障害の実態を質的分析、量的分析の結果から、類似尺度との比較検討、文献学的検討を重ね排便状態を評価するアセスメントシートを作成する。さらにセルフケア状況の分析結果も踏まえて、排便障害を改善するための看護介入の検討を行う。 9月~12月には、作成した排便状態アセスメントシートを同意が得られた外来受診患者50名に実施し、統計的分析を行いアセスメントシートとして完成させる。 1月~2月には、術後の入院患者5名、外来通院患者5名に対し、検討した排便障害改善の看護介入を実施し検討を重ねる。

次年度の研究費の使用計画

1.排便状態アセスメントシートの完成:平成23年度に作成した排便状態アセスメントシートを同意が得られた外来受診患者50名に実施し、統計的分析を行いアセスメントシートとして完成させる。*調査旅費として協力病院への交通費 2,500円×20回=50,000円2.排便障害対策としての看護で解決可能な看護介入の検討:平成23年度の結果から、文献的検討、研究協力者からの助言を得て看護で解決可能な看護介入を検討する。*研究分担者、連携研究者、研究協力者との会議 交通費・会議費 2,500円×10回×3人=75,000円、*文献、事務用品 69,359円、術後の入院患者5名、外来通院患者5名に対し、検討した排便障害改善の看護介入を実施し検討を重ねる。*調査旅費として協力病院への交通費 2,500円×10回=25,000円、*データ入力、テープリライト委託費、調査協力者謝品 60名分 150,000円3.研究成果の学会発表:*学会参加費・交通費3名分 50,000円×3名=150,000円

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 内肛門括約筋切除患者の排便障害の改善とQOLの向上をめざした看護介入の検討2012

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、工藤せい子
    • 雑誌名

      日本ヒューマンケア科学学会誌

      巻: 5 ページ: 60-73

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Actual Conditions of Postoperative Dyschezia Recognized by Rectal Cancer Patients and Self-care.2011

    • 著者名/発表者名
      Akemi Fujita,Seiko Kudo,Manabu Iwata
    • 雑誌名

      弘前医学

      巻: 62 ページ: 186-198

    • 査読あり
  • [学会発表] 直腸がん肛門温存手術患者の術後経過期間別の排便障害状況と効果的な看護介入の検討2012

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、鎌田恵理子、古川真佐子
    • 学会等名
      第29回日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会
    • 発表場所
      郡山市
    • 年月日
      20120203-04
  • [学会発表] 内肛門括約筋切除後の排便障害のある事例に実施した看護介入の検討2012

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、鎌田恵理子、古川真佐子、小山基、坂本義之、村田暁彦
    • 学会等名
      第26回東北ストーマリハビリテーション研究会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2012-03-17
  • [学会発表] 直腸がん内肛門括約筋切除患者の主観的QOLに関する研究-SEIQoL-DWによる評価-2011

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、工藤せい子
    • 学会等名
      第31回日本看護科学学会
    • 発表場所
      高知市
    • 年月日
      2011年12月3~4日
  • [図書] 疾患別看護過程、大腸がん、疾患別看護過程vol.2(第1章 消化器系の疾患)2011

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      メヂカルフレンド社

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公開日: 2013-07-10  

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