• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

直腸がん手術患者の排便状態アセスメントシートの作成と排便障害改善の看護介入

研究課題

研究課題/領域番号 23593239
研究機関青森県立保健大学

研究代表者

藤田 あけみ  青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (30347182)

研究分担者 工藤 せい子  弘前大学, 保健学研究科, 教授 (80186410)
キーワード直腸がん / 排便障害 / セルフケア / ISR / LAR
研究概要

本研究の目的は、直腸がん肛門温存手術後の術式別(ISR:intersphincteric resection、LAR:low anterior resection)の排便障害状況とセルフケア状況の実態を明らかにし、排便状態を評価するアセスメントシートを作成し、排便障害対策として看護介入を検討し提案することである。
平成24年度は昨年度収集したデータから排便障害の改善策を検討するため、さらに分析を深めた。対象者は直腸がんのためISR、LARを施行後5年以内であり、研究の趣旨に同意し調査の協力が得れた外来受診患者88名であった。質的分析で抽出された排便障害7項目、セルフケア状況11項目について、術式別に比較した。排便障害の[排便回数]では、<毎日排便回数が多く10回以上>がISRが2名(5.9%)、LARが7名(13.0%)でLARの方が多く、<排便回数が少ない日と多い費が交互>はISRが7名(20.6%)、LARが0名であり、ISRは排便パターンにばらつきが多くみられた。 [便漏れ]は、<いつも漏れる>がISRが17名(50.0%)、LARが1名(1.9%)であり、ISRの割合が多く、 [肛門部痛]も<ある>がISRが10名(29.4%)、LARが7名(13.0%)であり、ISRの割合が多かった。排便障害の認識では、[排便回数]ではISRが<排便のない日あるいは少ない日と多い日が交互>が多く、LARが<下剤を内服しないと便が出ない>が多いことが特徴的であった。術式別のセルフケアでは、[オムツやパットをあてる]は、LARに比べISRに多く、薬物以外のセルフケアである[排便をコントロールする]もISRに多く、便失禁に対処するためにセルフケアを実施していた。またISRは、[食べるのを控える][食事量をコントロールする]など、食事の内容や量を控えている人が多かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は、研究目的の排便状態を評価するアセスメントシートを作成し、排便障害を改善するための看護介入を検討するために、平成23年度に収集したデータの分析をさらに深め、その成果を国内、国外の学会で発表した。
アセスメントシート作成のための分析は深められたが、統計的分析を行うために、作成したアセスメントシートを50名に実施する予定であったが、冬季間は豪雪のため、研究者が調査協力病院へ調査に行けないことがあった。そのため、量的データの収集を現在も行っており、当初予定であった看護介入は、まだ実施できていない状況である。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、作成した排便状態アセスメントシートを外来受診患者30名に実施し、統計的分析を行い、アセスメントシートを完成させる。
さらに、直腸がん術後の入院患者10名、外来通院患者10名に対し、協力看護師が排便状態アセスメントシートを用いて排便状況を評価し、看護介入を実施してもらう。さらにアセスメントシート、看護介入の精度をあげるため検討を重ねる。
排便状態を評価するアセスメントシートを作成し、排便障害対策として看護介入を提案するという研究目的を達成する。

次年度の研究費の使用計画

1.排便状態アセスメントシートの完成:排便状態アセスメントシートを用いた調査の継続 *調査旅費として協力病院への交通費2,500円×10回=25,000円
2.看護師による排便状態アセスメントシートを用いた評価と排便障害対策としての看護介入 協力看護師への指導、打ち合わせの旅費・会議費 2,500円×20回=50,000円
データ入力アルバイト・謝品 100,000円 文献・事務用品=75,000円
3.研究成果の学会発表 学会参加費・交通費5名分=350,000円

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] SELF-CARE AND EGO-STATE IN POSTOPRATIVE RECTAL CANCER PATIENTS WITH DYSCHEZIA2013

    • 著者名/発表者名
      Akemi Fujita,Seiko Kudo
    • 学会等名
      The 16th EAFONS
    • 発表場所
      タイ・バンコク
    • 年月日
      20130221-20130222
  • [学会発表] 直腸がん術式別排便障害とセルフケアの実態および主観的QOL向上のための看護支援2012

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、工藤せい子
    • 学会等名
      日本看護科学学会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20121130-20121201
  • [学会発表] 直腸低位前方切除術後と内肛門括約筋切除術後の排便障害に対するセルフケアと自我状態の関係

    • 著者名/発表者名
      藤田あけみ、鎌田恵里子、古川真佐子、村田暁彦、小山基、坂本義之
    • 学会等名
      第27回東北ストーマリハビリテーション研究会
    • 発表場所
      仙台市

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi