研究課題/領域番号 |
23593243
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
田口 智恵美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (80555300)
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研究分担者 |
佐藤 まゆみ 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (10251191)
浅井 美千代 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (20212467)
阿部 恭子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (00400820)
三枝 香代子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80248864)
白鳥 孝子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (90331389)
広瀬 由美子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (20555297)
大内 美穂子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (30614507)
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キーワード | 臨床判断 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究の目的は、重症度が高く複雑な状況下のICU患者に対する看護師の臨床判断能力を育成するシミュレーション教育方法を開発することである。 平成24年度は、次の3つについて実施した。 ①平成23年度に実施した「経験の浅いICU看護師が実践上困難を感じる状況を明らかにする研究」の結果を千葉看護学会誌に投稿した(現在、査読中)。論文にまとめるにあたり、結果を再度共同研究者間で見直し精度をあげた。その結果、14カテゴリーが確定した。【受け持ち患者の病態を理解して看護を行う】【患者の今の状態を多角的に把握する】【ME機器を装着中の患者に対応する】【患者の痰の貯留状態にあわせた肺ケアの方法を選択し、苦痛なく効果的に痰の除去をする】【循環状態が悪い患者に対して負荷が最小になるようケア方法を決定し実施する】【患者の急変に対応する】などである。これらの結果から、複雑かつ個別性の高い患者の病態を理解する、患者の今の状態を多角的に把握し適切なケア方法を選択する、患者の状態の安定化を図るスキルを確実に実施する、緊急性のある状況を把握して対応する、他者に患者の状態を伝える、の5つが経験の浅いICU 看護師が困難を感じる状況の特徴として挙がった。 ②①の研究結果をもとに「経験の浅いICU看護師が困難を感じる状況における熟練看護師の臨床判断」を明らかにする研究に着手した。複雑かつ個別性が高い、循環状態が悪い、複数の機器類を装着している、痰の貯留があり肺ケアが必要であるなど、状態が不安定な患者を受け持つ熟練看護師2名の看護実践の参加観察を行った。さらに、その時の臨床判断についてインタビューを実施した。現在、質的方法により分析中である。 ③米国のシミュレーションセンターで研修を受けた。先進する米国におけるシミュレーション教育の実際について情報収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
熟練看護師への参加観察とインタビューを行った内容についての分析に時間がかかっている。分析結果次第では、再度データ収集の必要が生じる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、経験の浅いICU看護師が困難を感じる状況での熟練看護師の臨床判断を明らかにするために、収集したデータの分析をする。必要があれば追加でデータ収集する。その結果をもとに、経験の浅いICU看護師が困難を感じる状況のシナリオを作成する。 シナリオの精度を上げるため、シナリオやシナリオ上での臨床判断について、複数の熟練看護師から意見聴取する。 結果は学術誌に論文として投稿し、論文は研究に協力いただいた関係者に配布する。 本研究結果については、報告書を作成し、冊子にする。 学術集会や研修への参加や文献から、シミュレーション教育に関する最新情報を得て、本研究結果を考察する。 共同研究者会議において来年度以降本研究を発展させる計画を立案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
熟練看護師から追加データを収集する際、及び、シナリオに関する熟練看護師への意見聴取の際、その協力に対し謝礼を支払う。論文や報告書の作成に必要なPCや文具類を購入する。学術誌への投稿をするために学会への入会費を支払う。研修の記録をしたり記録を再生したりする機器類を購入する。研究に協力いただいた関係者に配布する論文の印刷費が必要である。文献取り寄せ費、学術集会参加費、共同研究者会議の開催費が必要である。
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