研究課題/領域番号 |
23593244
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
村上 好恵 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (70384659)
|
研究分担者 |
武田 祐子 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (80164903)
川崎 優子 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (30364045)
今井 芳枝 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10423419)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 遺伝性腫瘍 / がん看護 / 遺伝カウンセリング / ケアネットワーク |
研究概要 |
遺伝性腫瘍は、若年で発症する、多臓器にわたり同時性・異時性にがんを発症する、という特徴をもつため、各診療科にわたって治療を受けるが、その際に散発性のがんととらえられることもあり、診療科を超えての情報共有には限界がある。遺伝性腫瘍を早期発見し、早期治療を行い、遺伝性腫瘍を発症した患者の若年死亡を回避するためには、診療科の枠を超えた情報共有や継続医療の提供のあり方を検討する必要がある。そこで、日本家族性腫瘍学会学術集会や当学会主催の年1回開催される家族性腫瘍セミナーに参加した医師や看護師にプレインタビューを行った。その結果、遺伝性腫瘍の中でも症候群の場合には、一般診療の患者にまぎれてしまい、時間をかけて丁寧な観察を行わなければ見過ごしてしまうことが多いとの意見が聞かれた。しかしながら、この現状を打破し適切な医療を提供するためには、医療者は遺伝に関する知識を獲得する必要があるという意見も聞かれた。 2011年4月にサンアントニオ(アメリカ)で開催されたThe 4th Biennial Scientific meeting of International Society for Gastrointestinal Hereditary Tumoursに出席し、欧米の医療者と情報交換を行った。その結果、欧米では、Cancer Prevention Centerと呼ばれる部門があり、多臓器にわたる遺伝性腫瘍を統合して対応しており、患者や遺伝の可能性のある家族に対するケアも行われているとのことであった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年の震災の影響により、当初インタビューを予定していた対象者の都合が悪くなったことや、勉強会の講師として依頼していた医療者が震災支援活動で多忙を極め実施できなかったこともあり、計画はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
日本家族性腫瘍学会学術集会や当学会主催の年1回開催される家族性腫瘍セミナーに参加した医師や看護師に行ったプレインタビューの結果をもとに、インタビューガイドを修正し、遺伝診療に関する実態調査の本インタビューを実施する予定である。 また、欧米では、Cancer Prevention Centerと呼ばれる部門があり、多臓器にわたる遺伝性腫瘍を統合して対応しており、患者や遺伝の可能性のある家族に対するケアも行われているとのことであった。これらを直輸入するのではなく、日本の医療システムに即した遺伝医療のあり方を模索していく必要があるが、当施設の見学や情報収集を行い知見を深め、ケアネットワーク構築の参考資料とすることも必要と考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、震災の影響により滞っていたインタビューを実施することや、当初から計画していたケアネットワークモデル案を構築するための基礎資料の収集に研究費を使用する計画である。
|