平成23年度から実施してきた、1.外来化学療法を受けている高齢者の現状と支援ニーズ調査、2.看護職が捉えた、外来学療法を受けている高齢がん患者の支援ニーズと実践している看護に関する調査、について面接結果の分析を行った。 研究1では17名の面接を実施し。治療後自宅で体験している不調の内容、外来化学療法を続けることへの思い、治療を継続の支えや自らが実施している工夫や努力、医療者への要望を明らかにした。研究2は13名の面接を実施し、高齢がん患者が抱える困難として<独居の高齢者に関する内容>を含む10のカテゴリー、高齢がん患者であることを踏まえて実施している看護として<高齢者がその人らしく生活するための支援>を含む5つのカテゴリー、高齢がん患者を支援する上での課題として<在宅療養を支援する公的・私的資源の活用>を含む10のカテゴリーを明らかにした。以上の面接結果を基に、外来化学療法を受けている高齢がん患者が安定して療養生活を継続するための支援システムについて検討した。考案した支援システム(案)は①治療継続のための生活基盤を安定を図る支援、②安全・安楽に治療が受けられる支援(主に医療機関)、③自宅での療養生活を支障なく送るための支援、④外来化学療法を受ける高齢者の生きる力を支え、その人らしい生活を送るための支援、の4つの支援目標と、目標を達成するための具体項目から成る。各目標の具体的項目については、目標①は<経済的意支援をはじめとする各種制度の利用>を含む2項目、目標②は<安全・安楽に配慮した治療室での支援>を含む3項目、目標3は<かかりつけ医との連携>を含む4項目、目標4は<高齢者の基本理解を深め、外来化学療法を受ける高齢がん患者を多面的に捉え支援できる能力を育成する(教育)>である。
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