研究課題/領域番号 |
23593248
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
秋原 志穂 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (30337042)
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研究分担者 |
藤村 一美 大阪市立大学, 看護学研究科, 准教授 (80415504)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 結核 / 患者教育 / 教育ツール |
研究概要 |
平成23年度の目的は、患者教育の実態を明らかにし、教育ツール作成に必用な項目と内容を明らかにすることであった。そのためにまず、文献検討を行った。結果は、結核患者教育に関する国内文献のほとんどが活動報告であり、DOTSに伴う指導方法について記述したものであった。それ以外には、自施設でのパンフレットの検討を行ったものなどが数件あるのみで、対象数も十分でなく、評価方法も明らかでないなどの限界があり、教育方法の有効性を十分に述べているものは見当たらなかった。クリニカルパスの一部として教育を行っている施設もあるが、クリニカルパスの利用率自体が高くないため、クリニカルパスに沿った教育が有効とは言えない。 結核病棟の視察および資料収集は大阪府内で行ったが、他府県まで行えていない。次年度は引き続き他府県の視察と資料収集を行う予定である。 教育ツールに対する質問紙調査は感染症法の第二種感染症指定の医療機関のうち結核病床を有する機関への調査を行っている。現在質問紙の発送作業中である。質問紙では患者の教育方法や教育内容、患者の教育目標に沿った評価方法、および患者の入院環境などを調査する予定である。 教育ツール開発のために、今年度はその他に予備研究を開始した。患者教育のプログラムを作成し、1施設において介入研究を行うものである。現在、文献検討の結果、これまでの研究結果と臨床家の意見をもとにプログラムを作成したところである。対照群に対しては、その施設において通常通りの患者教育を行い、介入群に対しては作成したプログラムを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H23年度で結核病棟を有する施設の全国調査を行い結果を得る予定であったが、まだ結果をまとめられていない。しかし、現在質問紙の発送作業中で、やや遅れているが、問題なく結果を得ることができる。また、結核患者に有効な教育プログラムを作成し、DVDのビジュアルツールを作成するのは、プログラム自体が有効であることが検証されてから、作成すべきである。そのため予備研究を行うことが望ましいと考え、1施設において予備介入研究を行うこととした。その準備と実施までに時間がかかり、やや遅れているという結果になった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予定が遅れている教育に関する全国調査を引き続き行う。また、教育プログラムの予備的介入研究について、対照群の調査が開始するところである。それらの研究結果から、結核患者教育プログラムを作成し、専門家と意見交換を行いながら、プログラムを完成させる。それをDVD化したいと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
結核患者の教育に関する全国調査の調査費用と分析費用が100-200千円。また、教育プログラムの予備的介入研究に対しては印刷費等50千円。その他は学会発表費用200-300千円と研究補助の人件費200-300千円。DVD作成に本年度は研究費の大半を費やす予定で、1000千円-1500千円を専門技術の提供および、委託業務費用として使用する。
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