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2013 年度 実績報告書

中咽頭がん患者の化学放射線療法による味覚とQOLに関する多施設共同前向き臨床試験

研究課題

研究課題/領域番号 23593249
研究機関大阪市立大学

研究代表者

松澤 洋子  大阪市立大学, 看護学研究科, 講師 (00333980)

研究分担者 宇佐美 眞  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00193855)
矢田 真美子  関東学院大学, 看護学部, 教授 (10239783)
丹生 健一  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
斎藤 幹  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30335442)
山根 英雄  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60145787)
井口 広義  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70271195)
脇田 久美子  神戸大学, 医学部附属病院, 管理栄養士 (90540138)
福田 敦子  神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
片山 恵  神戸大学, 保健学研究科, 講師 (60295772)
キーワード中咽頭癌 / 化学療法併用放射線治療 / 味覚障害 / 低栄養 / QOL / 経皮内視鏡的胃瘻造設術 / 有害事象 / 献立
研究概要

我々は、中咽頭癌患者のCRTによる栄養低下とQOL低下の予防を目的としている。昨年はPEGの有用性を報告したが、治療開始前の患者は突然の癌告知に加えPEGを造設することに戸惑う様子が見られた。CRTを終えて退院した患者15名を対象にインタビュー行った結果、退院後も味覚や唾液分泌量が完全に回復せず、食生活に満足感を得られていないことを確認した。食事は味わって口から食べたいとの思いが抽出されたが、治療後9ヶ月を経過しても味覚異常を伴った状態にある患者がいることが明らかになった。本来、食べることは日常生活における楽しみであるはずだが、食べることが苦痛だとの声もあった。栄養状態は、生理・生化学、形態学的データによる身体的側面からのアプローチで判定しがちであり、看護師は患者や家族への栄養指導で、画一的に喉ごしの良い食品や栄養価の高い補助食品を勧めるに留まることもあった。退院後も続く有害事象に起因する食事量減少に伴う栄養摂取量の不足に対し、患者がどのように対処しているのかを把握しきれないまま患者任せにしている実情があった。そのため退院後の栄養摂取についての実態を知ることを目的に面談調査を実施した。その結果患者は食事を味わいたいとの思いから経口摂取に努めていたが、有害事象の持続により十分に摂取できていない患者が多かった。それでも経口摂取をしようと水分と共に食事を流し込む等工夫をしていた。また摂取量不足の自覚を持つ患者は、治療前には受け入れがたかったPEGを活用していた。しかし、このように栄養摂取の努力をしていても、QOL調査では食事の楽しさの項目は低値を示した。面談時に食事に対する思いを聞き、患者の生活と嗜好に応じた食事方法の助言を行ったところ、美味しく食べることを諦めかけていた患者に、楽しんで食事をしようとする姿勢の変化が見えた。このような介入がQOLを回復させる可能性が示唆された。

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公開日: 2015-05-28  

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