研究課題/領域番号 |
23593251
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
平尾 明美 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90363720)
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研究分担者 |
服部 兼敏 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (10346637)
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20116106)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 救急看護 / オントロジー / 看護師教育 |
研究概要 |
本研究では人工知能手法の一つであるオントロジーを用いて看護手順書をデジタル化して記述し、参照を容易にして、看護手順書に迅速性と学習容易さをもたらす仕組みを開発する。1年目である平成23年度は、平成24年度の新人看護師に行う教育プログラムで使用する教材を開発と評価項目の確認を行った。研究協力病院の看護手順書から救急看護に関係する項目を選択し、人間行動モデルとなるCHARM(Convincing Human Action Rationalized Mode-l)による看護モデルの構築とCHARMを表示するアプリケーションをタブレット端末に実装しデジタル化を行った。 看護手順の選択では新人研修で指導する看護技術を中心に確認したところ厚生労働省の示す新人看護師職員研修の到達目標と39項目が合致した。しかしCHARMは単に看護手順を整理し階層化するのではなく目的指向性にそった看護行為の構造化をはかり、各看護行為が何のために実行されるのかという根拠も示すものであるため、具体的な行動レベルの記述がなく指導項目としてあげられていた2項目は除外した。CHARMの構築には作成されたプロセス分解木を研究協力病院のエキスパートナース、新人看護師教育担当ナースに提示し内容の検証を行った。また、タブレット端末では画像や動画の再生が行える。シミュレータを用いた心肺蘇生法や輸液ポンプ・シリンジポンプの準備と異常アラームの確認についての動画撮影を行いCHARMに合わせた画像をリンクさせ再生機能を持たせた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目である平成23年度は、平成24年度の新人看護師に行う教育プログラムで使用する教材を開発が目的であった。学内、病院内の倫理審査の開催日時の調整により、研究実施の日程は多少の遅れが生じた。研究協力病院の看護手順書のからのオントロジー構築(CHARM)作成、内容検証を1月~3月にかけて行った。これらに平行してデジタルデータの作成としてシミュレータを使っての動画の撮影を行い、これらデジタルデータをタブレット端末に添付できるようにした。実際に使用するタブレットへの実装は4月以降であるが、バグ処理も問題なく行われている。なお、米国のハワイ大学医学教育センターで研修を予定していたが都合がつかなかった。しかし、当施設のインストラクターによる国内での研修が企画されており、それに参加した。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は教育カリキュラムを実施する。研究計画書では入職した看護師をCHARMを実装したタブレット端末を使用した群と従来の紙ベースの資料を用いて教育を行う対照群に分けて行う予定であったが、同一の学習環境を提供したいとの協力病院の意向により23年度と24年度の新人看護師の技術習得、到達度の比較により学習効果の違いを測定する。救急蘇生については、シミュレーションを行う際に動画撮影を行い、新人看護師自身による振り返り学習の効果をねらう。
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次年度の研究費の使用計画 |
協力病院の平成24年度に入職した新人看護師47名を1グループ4人とし3週間毎にタブレット端末を用いた新人看護師研修を行う。タブレットは研修の開始前に1週間、終了後にも復習を1週間続けてもらうため10台準備する。本研究をインフォメーション・エクスチェンジで発表し、多数の看護職者からの意見を求める予定にしている。24年度は、タブレット購入とインフォメーション・エクスチェンジや成果発表で学会に参加するために研究費を使用する予定である。
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