本研究は、脳卒中患者の家族介護者の在宅移行前の介護準備状態が、その後の家族介護者や家族に及ぼす短期的および長期的な影響を明らかにすることを目的として、在宅移行前の介護準備状態の質問紙調査と在宅移行後12ヶ月間の家族の生活の面接調査を行った。 2つの調査から、介護者は、退院前の介護準備状態は充分ではないが状況を楽観的に捉えて介護を始めたものの、半年経過した頃から介護を現実視し始め、「楽しんで介護すること」や「介護ストレスに対処すること」の準備ができないままで介護を継続すると考えられた。 このことから、退院後も介護者の心身の安定を目指した意図的な看護支援を継続することが重要であると示唆された。
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