研究課題/領域番号 |
23593266
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
村岡 宏子 東邦大学, 看護学部, 教授 (60258978)
|
研究分担者 |
尾崎 章子 東邦大学, 看護学部, 教授 (30305429)
|
キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 家族介護者 / 心理社会的問題 / モデル構築 / 対処行動 |
研究概要 |
本申請研究は、筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)の家族介護者における心のバリアフリー化促進モデルを構築することを目指している。人工呼吸器を装着するようになると、ほとんど24時間の介護が必要になるため、社会的孤立状況が生じることがないわけではない。介護者はALSの患者を介護する自分の苦悩を誰にもわかってもらえない意識増大の危険性を抱えているのである。 平成25年度は、家族介護者の現状を把握するために実施したインタビューデータをもとに、介護継続においてどのような心理社会的問題を抱えているのかを分析解釈した。さらに、「心のバリアフリー化困難(心理社会的問題)」についての質問紙調査の準備として、質問項目の作成、フィールド調査施設の候補をあげて、調査の準備状態を整えた。また、心理社会的問題への対処行動についての文献を検討するとともに、介護者の対処行動を測定する既存の尺度についても検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度の予定では、質問紙調査を実施し最終的に「心のバリアフリー化促進モデル」の評価を実施する予定だった。しかし、質問紙調査の準備状態が整わず、対象者である家族介護者50~80名への調査が進まなかった。一方、過去の文献検討によって心理社会的問題や困難さへの対処行動については検討することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、ALSの家族介護者における「心のバリアフリー化困難(心理社会的問題)」についてフィールド調査を実施予定である。その結果を踏まえて、「心のバリアフリー化促進モデルの構築」を行い、質の高い神経難病ケアを提供するための手がかりを得ることが課題である。具体的には質問紙の最終チェック、フィールド交渉、調査実施、結果の入力、分析、考察といった一連の流れで進めていく。当該促進モデルが過去のモデルと類似する点や相違点を見出し、利用可能性についても評価検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本申請研究は、ALSの家族介護者における「心のバリアフリー」という概念に注目している。家族介護者が介護を継続していく中でどのような心理社会的問題を抱え、それを解決するのかを明確化するために質問紙調査を予定していた。しかし、平成25年度はALSの家族介護者約50~80名への調査は進まなかったため、その分残額が発生した。 ALSの家族介護者における「心のバリアフリー化困難(心理社会的問題)」について、現状調査を予定している。残額の使用は、調査地への旅費、質問紙発送に伴う文具や郵送料として、支出を予定している。
|