本研究は、筋萎縮性側索硬化症の家族介護者における心のバリアフリー化を促進するモデルの構築を目指した。家族介護者7名へインタビュー調査した結果、24時間に渡る介護が必要なため、患者と家族介護者の間には濃密な関係が生まれることが明らかになった。この関係は、見えないバリアを形成し、外部サービスがうまく導入できないほどになり、その結果、介護の質的低下を招く恐れがある。「心のバリアフリー化」を進めるために、日ごろから患者と家族が社会的場面に接触できるALSケアを提供していく必要がある。今後、レスパイト機能をもつ訪問看護や介護事業所、病院のなかに在宅療養支援病棟を設立することも望まれる。
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