研究課題/領域番号 |
23593267
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
山本 佳代子 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (40550497)
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研究分担者 |
奥宮 暁子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (20152431)
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キーワード | 透析 / 自己決定理論 / 自律的動機づけ / セルフマネジメント |
研究概要 |
【第1段階】透析患者を対象とした質問紙調査および、面接調査の結果について協力施設の職員を対象に報告・意見交換会を開催した。その際の意見交換内容(特に原疾患の検討に透析暦の情報を反映させることや、うつ傾向と透析暦との関係について考慮すること)を参考に、さらに分析をすすめた。面接調査のデータに関しては、さらに、分析方法に採用したM-GTAに精通した研究者2名からスーパーバイズを受け、概念の命名や、結果図の表現方法に関するアドバイスを得て、概念の整理や患者の動機づけの変化である4つの段階の表現方法を修正した。 【第2段階】 看護師対象調査の集計分析を継続して行った。H24年度の結果に加え、看護師の自己管理支援の実践状況は、透析看護の従事暦5年未満の看護師では、「自律性尊重」「指導方法の工夫」が有意に少ないことが明らかになった。さらにこの時期の看護師では「主体的就業動機」も有意に少なかった。このほか看護師の自己研鑽の現状などを分析した。この結果に関する分析の中間報告を2施設で行い、9月に透析に従事する看護師の勉強会を行った。さらに、11月に学会で報告し、対象施設以外の看護師からの意見を収集した。分析の視点を看護師の到達度評価からも置くことなどの着想を得て検討を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
透析患者対象の質問紙調査に関しても学会発表を行い、広く透析関係の医療者から意見を聞き、分析に反映させる予定であった。しかし、協力施設での意見交換の結果などから、より透析患者の多様性に対応できる支援を検討するために原疾患による患者の認知の違いを透析暦など新たな視点で分析することにしたため、学会発表が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は、新たな視点を加えた分析結果を学会で発表し、多くの透析関係者からの意見を収集する。最終的な分析をもって、各協力施設での報告会、教育プログラムの開催と評価、および報告書作成を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
患者対象の量的研究の結果について学会発表を行う予定であったが、より透析患者の多様性に対応できるものにするため、原疾患による違いや自由記載などの分析を追加した。そのため、H25年度内に発表できず、学会参加費・旅費の未使用が発生した。さらに、学会発表後に、調査全体の分析結果の報告書作成および各協力施設での報告を兼ねた勉強会開催を行うことにしていたため、報告書作成費等の未使用額が生じた。 H26年度に、患者対象の量的研究についての学会発表、各協力施設への報告会開催、および報告書作成をすることとする。未使用額はこれらの経費に充てる予定である。
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