本研究の目的は、若年性パーキンソン病のQOLについて、経時的にSEIQoL-DWを調査して、患者の主観的QOLの特徴について明らかにすることである。 複数回実施した48名のデータから、前年度に比し値が下降したケースでは、①自分自身の喪失体験、②家族の問題、③家族間の関係の悪化、が下降の主な原因であった。上昇したケースでは、①一度失ったものの回復、②代わる何かを得る、③考えの枠組みの変容、が上昇の主な原因であった。患者は病状の進行と共に様々な喪失体験を経験するのは仕方ないが、その体験から何かを得たり、考え方の枠組みを変更したりすれば、必ずしも主観的QOLは下がることないことが示唆された。
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