研究課題/領域番号 |
23593279
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 教授 (90162502)
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キーワード | 意思決定 / 小児看護 / 自律性 / decision-making |
研究概要 |
子どもが意思決定を行う際に必要とする情報、特に病名告知に関する諸外国の事案について、検討した。特に、D.H.Arabiat,et.al.,小児へのがんの病名・治療告知:その方法に対するヨルダン人母親の認識と満足感、(INR,35(4);48-54,2012)を題材に関係論文をクリテークした。子どもに病名を告知にするにあたっては、それぞれの国の噴火的な要因が関与することに注目する必要がある。 わが国の公表されている論文によると、子どもに対する病名告知という事案の報告は少なく、告知を含む子どもへの情報提供の定は保護者にゆだねられているのが現状であることが推測される。子どもに関する医療を保護者がどのように決定するか、保護者の意思決定に関する検討論文が散見され、参照した。これに関連して、臨床で研究されていた海外で治験治療を受けるに至った小児の両親に関して、記録物に記述された治験決定にいたるまでの不安や心配事に関する質的な検討に加わり、これを分析した。父親、母親では必要とする情報に違いがあり、これは我が国の親役割にかんすいての文化的背景が関与していると考えられる。同内容の一部はICN 25th Quadrennial Congress (Australia)において発表予定である。 また、昨年度の文献検討の結果、子どもの意思決定後の結果(consequences)に関連する内容として、小児がんの子どもの晩期障害への対応や意思決定がもたらす成果等についての調査を中心に検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初子どもがヘルスケアの意思決定をする場の人的要因として、医師、看護師の認識ならびに意思決定を行う際の条件などを明らかにするために、質問紙調査、専門家に対するグループインタビューを計画していた。予定していた関係者(主として医療者、親)に対するグループ・インタビューに関しては、インタビュー内容ならびに協力依頼先の選定に困難が生じ、再検討をせざるを得ないと判断した。以上が、計画の遂行が遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
関係者(主として医療者、親)に対するグループ・インタビューの準備を進める。 また、子どもに対しては、個別の半構造式インタビューを行い、質的文責を行う予定で、対象を、小児がんを小児期に発症し、キャリーオーバーした15歳以上の小児を30名程度予定している。子ども自身がヘルスケアに関する意思決定をどのように行っているのか、その要因を明らかにするための調査方法については、質的研究方法を予定して、準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度実施できなかった子どもの人的環境である専門職や親に関するグループインタビューによるデータ収集を25年度に実施を予定している。同様に25年度実施に伴う会場などの手配、録音内容のリライト費用(役務)を予定している。加えて、キャリーオーバーした小児に対し、半構造的インタビューを予定しており、了解を得て録音した内容をリライトするための費用を予定している。 なお、研究協力の対象患者をsnowball-sampling法で行うため、研究者が遠隔地まで出向く予定をしており、その交通費、協力依頼者への謝礼などを予定している。
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