研究課題/領域番号 |
23593279
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90162502)
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キーワード | 海外治験 / 進行性神経芽細胞腫 / 小児看護 / 家族の意思決定 |
研究概要 |
医療のグローバル化が進み、自国を離れて海外での治療を受ける機会も少なくない。子どもの海外での臨床試験に参加するに至った幼児期患者と家族の支援を明らかにすることを目的として、両親の意思決定にいたるまでの不安や心配事について検討した。患者は進行性神経芽細胞腫の幼児で、両親が海外での治験参加の検討を開始し渡航するまでの期間の看護記録および診療録の記述から、両親の表出した不安や心配事を抽出し、質的に分析した。 両親ともに、子どもの病状に関することが、不安や心配事の中心であった。海外での治療に関する意思決定にの関連要因として、父親に関しては治験参加に関する手続きや海外生活を支えるための国内、渡航国のリソースの紹介が必要である。母親に対して、海外生活や付添いなどに関連した情報提供とサポートが重要である。同内容は第25回ICN大会(Australia)において、"Support for decision making in parents of a child receiving a clinical trial overseas-Consideration focusing on their anxieties and worries"と題して報告した。 また、昨年度に引き続き、子供の意思決定後の結果(consequences)に関係する内容として、小児がんの子供の晩期障害への対応や意思決定がもたらす成果についての調査を中心に検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
子どもが意思決定を行うにはその必要性の前提条件がある。その前提条件を調査するために、医療者が必要なヘルケアを提供する手続きなどは施設ごとに異なることが想定され、協力依頼先の選定に時間を要している。以上が、計画の遂行が遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力依頼先の選定を進める。また、関係者(主として医療者、保護者)ならびに子ども自身に対するインタビューの準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度については、研究成果発表旅費が少なかったこと、また、計画上想定していた調査費用として考えていた印刷代、会場費、謝礼などが計画が進まずに支出しなかったことが繰越金が多くなった理由である。 質問紙、インタビューによる調査費用として印刷費、交通費、謝礼、ならびに情報収集のための旅費、資料整理費用を計画している。
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