研究課題/領域番号 |
23593285
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
李 鎔範 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10334658)
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研究分担者 |
内山 美枝子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10444184)
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キーワード | マンモグラフィ / 乳がん / 筋電図 / 心拍変動 / ユーモア映像刺激 / 身体負荷 / ケアプログラム / 放射線撮影技術学 |
研究概要 |
本研究の目的は,マンモグラフィ被検者が受ける身体的,精神的な負荷を身体筋活動や自律神経活動といった生理学的指標を用いて定量化し,被検者側及び撮影技師側から負荷緩和への積極的な介入を行うケアプログラムの構築を目指すものである.今年度は,次のように研究・実験・成果報告を実施した. 1.マンモグラフィ検査時の筋電位データを詳細に統計解析・評価を行い,筋活動を指標としたマンモグラフィ被検者の身的負荷の定量評価についての成果を研究論文してまとめて発表した. 2.筋電バイオフィードバックユニットを用いたマンモグラフィ被検者の負荷緩和のための基礎実験を行い,被検者自らがリラックに努めるように促すケアプログラム立案のための基礎データを収集した. 3.マンモグラフィ被検者の顔表情解析を行い,顔表情から検査時の痛みを推定するための基礎データを収集した. 4.マンモグラフィ検査時の自律神経機能指標を用いた測定・解析を行い,自律神経活動とマンモグラフィ被検者の身体・心理的負荷との関連性を明らかにした. 5.マンモグラフィ被検者の負荷緩和ケアプログラムの一案として,「被検者にユーモア映像を検査時に見てもらう」実験を実施し,ユーモア映像が身的負荷緩和および痛み耐性に与える影響についてのデータを収集した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下4項目についておおむね順調に進展している. 1.実験被検者の募集:自発的参加者を募り,H24年度だけで新たに30名以上の参加者の協力を得ることができた. 2.使用機器の準備:予定通り必要機器を購入し現有品と組み合わせて,実験を遂行することができた. 3.実験実施:マンモグラフィ被検者の身的負荷を定量化するための実験を実施し,筋電図,心拍変動,顔表情解析による定量化法の手技の一部を確立した.また,ユーモア映像刺激による負荷緩和ケアプラグム案を検証するための基礎実験を実施した. 4.成果発表:国際会議および国内学会にて随時最新の研究成果を発表し,その一部は研究論文として公表した.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究計画・方法: 1.マンモグラフィ被検者の心拍変動,顔表情解析の追加実験およびデータをさらに詳細に評価し,その成果を研究論文として発表する. 2.マンモグラフィ被検者にかかるストレスの度合いを測定し,心身負荷との関連性を解析する. 3.検査前および検査中の様々な刺激・介入による負荷緩和ケアプログラム案を立案し,その効果を検証する. 例えば,コミュニケーションロボットが被検者に与えるリラックス効果など.
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次年度の研究費の使用計画 |
50万円以上の物品購入はない.主な使用予定を示す. ・コミュニケーションロボットの導入費 ・3回の国内外の学会に出席し成果発表を行うための旅費 ・英文論文の英語校正費 ・実験実施に必要な消耗品費
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