研究課題/領域番号 |
23593291
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
久保田 君枝 浜松医科大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40331607)
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研究分担者 |
内藤 初枝 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 講師 (70155638)
田坂 満恵 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40593976)
羽持 寛子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10616684)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 妊婦 / BMI / 栄養 / 胎児推定体重 / 出生体重 |
研究概要 |
はじめに:妊婦の栄養摂取状況からみた、妊婦の体重増加と胎児の発育状況を縦断的に調査し、低出生体重児の要因を明らかにすることにより、低出生体重児の出生を予防することを目的とする。本研究では妊娠期間を初期・中期・末期の3期に区分し、各期間の妊婦の食事をデジタルカメラにて撮影、写真から管理栄養士が栄養素別に摂取内容を分析する。さらに妊婦健診時には各時期の妊婦の体重増加と胎児の推定体重等を測定し、妊娠期間中の食事の質と量のバランスの良否と妊婦の体重増加と各期間の胎児の発育状況などを照合しながら縦断的に検証する。 方法:(1)対象妊婦:食事調査に承諾の得られた妊婦68名中出産を終了していない63名は継続調査中である。(2)アンケート調査:1)初回受診時に行う。妊娠期間中の妊婦の体重および胎児の推定体重の測定(妊娠14~16週、妊娠25~27週、妊娠32~34週)(3)食事調査:妊婦に上記週数の期間に3日間の食事摂取内容をデジタルカメラにて撮影、分析は『ヘルシーメーカー413』を使用し、栄養素別摂取量と栄養素別エネルギー比率を算出した。 結果:(1)妊婦68名のBMIが25以上の肥満5.9%、25~18.5以上標準63.2%、18.5未満のやせ23.5%でやせの割合が多く傾向を示した。(2) 妊婦の食事摂取状況は、総じて高脂質・高食塩の傾向が顕著であり、総エネルギー量、Fe、 レチノール、VC、葉酸などは低い傾向がみられた。(3) 妊婦の食事摂取内容と胎児の発育との関係では、胎児発育曲線から±15%逸脱している事例があり、全妊婦の分娩を待って最終的な解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始から9ヶ月間の対象数は概ね順調に進展している。1事例からのデータ収集期間は9カ月を要することと妊娠全期を通して食事の写真を最低54枚撮影が必要なために、調査協力を得にくい事からこの事例数は妥当な数と思っている。しかし、可能な限り対象の数を増やす努力はする。
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今後の研究の推進方策 |
結果に示したように妊婦の食事摂取状況は貧弱なケースが目立った。しかし、現時点で多くの対象妊婦が妊娠経過中であり、出産を待ってさらに詳細な解析を加えて最終的な結論を導く予定である。今後は事例数と食事データを増やすとともに、妊婦の栄養状態と胎児の発育との関連について明確な見解を示すことを目標としたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者の研究費の配分、管理栄養士への栄養分析等データ収集のための研究協力者への謝金(週5日、1日3時間、1日1人)調査協力の妊婦への謝金(図書券2000円とSDカード1500円)ICMアジア学術集会への参加費と旅費
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