研究分担者 |
齋藤 いずみ 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10195977)
西海 ひとみ 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (30379458)
戸田 まどか 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90388695)
岩崎 三佳 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70584176)
渡辺 完児 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (00269854)
古川 洋子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00405234)
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研究概要 |
【目的】①妊婦の身体活動量のデータの追加収集を行い、妊娠経過・分娩経過との関連性を検証する、②対照群との心理的指標、分娩所要時間の比較を行うことを目的とした。 【対象と方法】①対象:正常経過の初産婦17名。測定項目:妊娠期のライフコーダの継続的な装着による身体活動量(歩数、運動強度)、POMS、GHQ、唾液分泌方免疫グロブリンA(SIgA)、体重増加量、分娩所用時間。②対象:対照群(初産婦38名)、身体活動群(身体活動量を測定した初産婦40名)。測定項目:POMS、GHQ、体重増加量、分娩所要時間 【結果】①平均歩数は妊娠中期と末期に差を認めなかった。妊娠末期の運動強度では、微小運動(532.9分)が最も多く、歩行運動(35.8分)、速歩運動(10.3分)、強い運動(0.4分)と有意差は認めないが妊娠中期よりも減少していた。SIgAは妊娠末期(32.9μg/ml)に中期(42.6μg/ml)よりも減少傾向にあるが有意差は認めず、POMSの怒りと有意な負の相関関係を認めた (rs=-.710~-.445, p<.05)。POMS・GHQ ・SIgAと歩数、運動強度との相関は認めなかった。分娩所要時間と体重増加量の相関を認めた(rs=.674,p<.05)。②GHQは妊娠中期、末期において身体活動群が対照群よりも有意に得点が低かった。POMSは、抑うつ、緊張、怒り疲労の項目で妊娠末期において身体活動群が対照群よりも有意に得点が低かった。分娩所要時間の両群の差は認めなかった。 【考察】妊娠経過に伴い運動量が減少する傾向と、分娩所要時間には体重コントロールが重要であることを明示した。慢性ストレス指標であるSIgAが怒りの感情と関連して妊娠末期に減少傾向であり、ストレス軽減への支援の必要性を示唆した。身体活動群妊婦は、心身の健康状態が良好であり、分娩経過は普通であることが明らかにされた。
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