研究課題/領域番号 |
23593300
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
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キーワード | 祖父母 / 孫の育児支援プログラムのニーズ |
研究概要 |
平成24年度は,本研究の最終目標である孫育てに関わる中高年向け包括的健康支援プログラム策定にむけた基礎資料を得るため,「祖父母の孫育児支援プログラムのニーズ」調査を実施した。沖縄県内の老人クラブ連合会または社会福祉協議会運営団体に所属する47歳以上の男女837名を対象に,無記名自己記入式質問紙調査を実施した。調査地域は沖縄本島の全市町村から層化2段抽出法により選定した。質問紙回収は直接または郵送法で行い,425名から回答を得た(回収率50.8%)。対象者の年齢は73.8±7.1歳,孫がいるものは85.6%で,そのうち孫の育児に関わっているものは52.5%であった。孫の育児に関わっているもののうち,孫育児支援プログラムへの参加希望は23.7%と少なかった。参加希望者の背景をみると,62%に未就学の孫がおり,77.6%が週1回以上の頻度で孫と交流していた。また,80%が孫と同居か,徒歩で往来または車で30分以内の近距離に居住していた。孫の育児で気になる項目は,「昔の育児が今も通用するのか不安」が最も多く,「自分の健康状態や体力に不安がある」,「自分が高齢」が続いた。孫育児支援プログラムで知りたい育児技術は,「事故防止や対処方法」,「習い事や教育」が多かった。参加希望者の自覚症状を有訴者数順にみると,「疲れやすい」が最も多く,次いで「関節の痛み」,「血圧が変動しやすい」が続いた。今回の調査結果から,孫育児支援プログラムの内容には,従来実施されてきた育児技術の知識提供だけでなく,祖父母の体調管理や体調・年齢に応じた育児参加のあり方についても検討する必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は申請当初の計画を一部変更し,本研究の最終目標である孫育てに関わる中高年向け包括的健康支援プログラム策定にむけた基礎資料を得るため,「祖父母の孫育児支援プログラムのニーズ調査」を中心に調査を実施した。そのため,平成24年度に実施予定だった中高年の孫育てと生活習慣および心身の健康の実態調査は実施しなかった。一方,本年度実施予定の身体活動量測定調査は,本調査に向け予備調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度実施予定だった中高年の孫育てと生活習慣および心身の健康の実態調査(平成23年度の追加調査)は,研究協力者の協力を得て平成24年度末から開始し,現在進行中である。同様に身体活動量測定調査は,予備調査の結果を踏まえ平成25年度から本調査開始できるよう準備を進めている。 結果公表については,前年度に引き続き学会や論文発表を積極的に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,今年度と同様質問紙調査および身体活動量測定(加速度計使用)にかかる消耗品,通信運搬費,人件費を使用する。 また,平成25年度が最終年度となるため,従来の結果公表目的で使用した英文校閲料,論文投稿料,旅費に加えて,報告書印刷費および送付用通信運搬費を追加する。 加えて論文作成のための書籍,文献複写料にかかる物品費を使用する。
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