研究課題/領域番号 |
23593302
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
山内 まゆみ 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (00322917)
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研究分担者 |
伊藤 幸子 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (50301990)
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キーワード | 継続教育 / 助産師教育 / 卒後教育 / 現職助産師 / シミュレーション教育 |
研究概要 |
研究期間3年のうち2年目平成24年度は、現職助産師の業務実態調査の実施し実態を明らかにすることであった。 平成24年11月まで「調査票」の作成を行った。11月より調査①②の手順で研究を推進した。 調査対象は研究代表者所属機関のある北海道とその周辺の地域の実態から明らかにすることを目的に、①11月調査は、北海道・東北圏の産科関連施設に勤務する現職助産師10年目までを対象とした。研究協力依頼施設数は北海道131、東北圏460の計691施設であった。227施設より返信があり、調査協力施設数は112施設に絞られた。施設総勤務助産師は1436名で、そのうち10年目までの助産師は549名であった。②平成24年12月から平成25年2月までは、調査協力の得られた112施設に勤務する10年目までの助産師546名への調査を実施した。その結果290名からの返信(回収率52%)、有効回答数286名(有効回答率98%)であった。 ①の結果は、助産師から看護師への役割交替が指示的になく、自身の希望時可能な環境にある「助産師業務継続可能な環境」にある施設54%で、指示的役割交替がある施設も5割弱あることが推察された。卒後教育システムは、助産師特有なシステムが存在する施設は4%にとどまり、50%以上が看護師と合同の卒後教育システム下であった。システムがない施設も22%あることが分かった。 ②の結果は、助産師平均経験年数7.2年で、病院・診療所勤務者は96%であった。看護師歴を有するもの50%、保健師歴を有するものは7%を占めた。大学等の教育期間による卒後教育を希望するものは53%で、企画希望内容は知識面で「母乳育児と乳房関連」「分娩・新生児の異常状態、ハイリスクな対象者に関する診断・ケア」等であり、技術面では上記知識項目に追加して「正常分娩の診断・ケア」「新生児のケア」等への希望があることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に北海道・東北圏に勤務する助産師への大規模調査を実施したため、予定通りの進捗状況で計画を推進できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は研究期間最終年度である。平成24年度の調査結果が得られたため、現職助産師の現状を基盤にした卒後教育プランを看護系大学で支援可能なプログラムとして企画案作成が可能な状態となった。それらの一部については看護系大学で実際に展開する予定である。 平成25年度の到達目標は、8月までに昨年度調査の分析を詳細に進め、卒後教育研修草案を作成する。また並行して北海道内助産師教育施設の教員と前記した草案に関する協議会を持ち、北海道内の教育機関で支援可能なプランニングを目指す。 企画を実施するに当たり、北海道内で協力の得られる医療施設を探し、現職助産師とともにキャリア支援プログラムを意図したプランニング、特に異常状態にある対象者への支援を想定したシミュレーション教育、他職種連携を狙った異常時・緊急時の対応シミュレーション教育、といったプログラムも企画する。医療施設に協力が得られぬ場合は、研究代表者所属機関の助産師教育への新たな企画として助産師学生を対象に上記シミュレーション教育の試みを行い、継続教育にむけた課題を具体化する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(B-A)95万円程度となった。その理由は当初想定していた調査協力施設数が見込み数を大幅に下回ったこと、その結果調査参加者も予測数2千人の想定が、実質600人弱の研究参加者にとどまったことで、調査協力粗品代金、調査票送付・回収代金が予定より大幅に安価になったことによる。そこで残金は平成25年度実施予定のシミュレーション教育のための勉強会にかかる講師依頼金、シミュレーション教育教材購入費、また卒後教育参加者募集にかかる通信費、また平成24年度成果報告投稿費(国外学会登録費)等に活用予定である。 平成25年度は平成24年度からの繰越金95万円に配布予定額60万円程度=155万円の基本使用計画は①~⑦である。 ①卒後教育プログラム草案作成時の会議費(交通費10万円程度)、②平成24年度研究成果報告のための学会参加費・旅費(30万円程度)、③卒後養育プログラム実施のためのシミュレーション関連機材(30万円程度)、④人件費(50万円程度)、⑤通信費(10万円程度)、⑥関連図書費及び消耗品費(17万円程度)、⑦成果報告国外学会登録費(平成26年度開催予定のICM参加登録費:7~8万円程度)
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